オーストラリアでワーホリや留学中にお仕事をした場合、勤務先から支払われるスーパーアニュエーション。
今回は、このスーパーアニュエーションを税理士に頼らずに自力で解約し、返金までの払い戻し手続きの方法を紹介します。
また、この払い戻し手続きの準備はできればオーストラリアにいる時にして置くことをお勧めします。
というのも、手続きの際に年金団体の詳細や勤務先の登録住所などなど、現地にいる時の方が確認が簡単な情報が必要になります。
日本に戻ってからでも不可能ではないですが、メールや電話で確認だとかなり面倒になると思うので、ぜひ、帰国前に必要な情報を押さえておくことをお勧めします。
ちなみに、タックスリターンを自分でする方法については過去に記事を書いていますので、必要な方は参考にされて見てください。
また、帰国の際に余った豪ドルをお得なレートで両替して、直接日本の銀行講座に振り込みたい場合はこちらの記事もご参考ください。
では、前置きはこのくらいにして、スーパーアニュエーションの返金方法を紹介していきます。
DASP(スーパアニュエーション返金)の申請条件
オーストラリアの年金払い戻し手続きは Departing Australia Superannuation Payment(DASP)と呼ばれ、政府の公式サイトはこちらから確認できます。
この払い戻しの手続きを受けるための条件は
- オーストラリアのビザが失効している
- オーストラリアから出国している
ことが条件になります。
あとに紹介する申請フォームで、この2点を証明する必要があります。
オーストラリアのスーパーアニュエーションの返金手続き先
スーパーアニュエーションの払い戻し手続きの為の連絡先は
- 年金団体(スーパーファンド)
- 税務署
- 移民局
の3つがあり、自分の状況によって連絡先変わります。
1:年金団体のみで良い条件
もし、年金の返金額が5000ドル以下で、なおかつオーストラリアを発ってから6ヶ月位以内でビザが失効している場合は「年金団体」のみで可能です。
年金団体は様々なのがありますが、私は銀行口座ANZを開設した時にそのまま年金口座も開設しました。
ちなみに、オーストラリア政府は現在(2019年時点)、ワーホリ中に貯まった年金を引き出す時に65%というなんとも腹ただしい税率をかけてきます。
つまり5000ドル年金口座にあった場合は、3250ドルが税金として持って行かれ、手元に残るのは1750ドルということになります。。。
2:年金団体と移民局への連絡が必要な条件
逆に、年金の返金額が5000ドル以上の場合は「年金団体」と「移民局」へ連絡が必要になります。
3:税務署(ATO)への連絡が必要な条件
税務署へ連絡が必要なのは、オーストラリア出国後6ヶ月以上経過した場合になります。
というのも、
- オーストラリアを出国
- 自分の年金口座に年金に変化がない
(6ヶ月間) - ビザが失効
となると年金の管理が「年金団体」→「税務署」に移されるのです。
この記事では、1番目の2番目に当てはまる方法を紹介します。
年金団体(スーパーファンド)への提出書類
年金団体へ提出する払い戻し申請フォームは下記より取得できます。
→Application for a departing Australia superannuation payment
このフォームは税務署(ATO)のサイトより取得しますが、提出先はATOではなく自分の年金管理団体(スーパーファンド)になりますので、注意が必要です。
では、フォームを見ながら入力していきます。
DASPフォーム:1ページ目
1:Tax File Number
2:名前
3:変更前の名前
4:生年月日
5:現在の郵送可能な住所
6:電話&ファックス番号
7:メールアドレス
8:オーストラリアにいた時の最後に滞在していた住所
または年金団体が発行する書類に記載されている住所
DASPフォーム:2ページ目
9:年金団体の名前
10:年金団体のABN(Australian Business Number)
11:口座番号
12:雇用主(勤め先)のABN
13:雇用主の会社名
14:会社の住所
15:雇用期間
ここでで入力する情報は、私の場合はオンラインでも可能でしたが年金団体によっては見つけるのに面倒な場合もありますので、現地にいた方が楽だと思います。
また、勤め先の情報はGroup Certificateや給与明細に記載されています。
わからない場合は会社に連絡して確認をしてください。
DASPフォーム:3ページ目
ここでは、どのようにして自分のビザが失効しているのかを証明します。
方法は2つあって
- 移民局に証明してもらう方法
- 自分で証明する方法
になります。
移民局に証明してもらうには別のフォーム(Certificate ofImmigration Status)を移民局に提出する必要があり、55ドルかかります。
(やり方は後述)
自分で証明する場合は、ビザが降りた時に移民局から受け取った書類を「認証」してもらい提出する必要があります。
送られてくるメールのタイトルは「IMMI Grant Notification」となっているはずです。
そのメールに添付されている書類を「認証」してもらい”Certified Copy”として提出します。
この手続きにはオーストラリア大使館・領事館で行う必要があり、直接行くか郵送による認証が可能です。
私が調べた時にはこの手続きに5800円かかりました。
この、ビザが失効しているかどうかの証明方法ですが、年金の返金額が5000ドル以上の場合は移民局に証明してもらう必要があります。
つまり、自分での証明ができません。
逆に5000ドル以下であれば、自分がやりやすい方を選ぶことができます。
移民局に証明してもらう場合は上のボックス、自分で証明する場合は下のボックスにチェックをいれ、ビザの種類と有効期間を入力します。
DASPフォーム:4ページ目
次に年金の払い戻し先を
- チェック
- オーストラリアの銀行
- 日本の銀行
から選択します。
日本の銀行に送ってもらう場合は、銀行コードやIBANコードなどが必要になるので、窓口に行って確認するのが一番かなと思います。
DASPフォーム:5ページ目
自分の名前を入力し、サインして日付をいれて完了です。
これを、年金団体に送ります。
私の場合はANZなので、anzsmartchoice◆anz.comへ送ります。
※◆を@に変更します。
つまり、自分でビザの失効を証明する場合は
- このフォーム
- ビザの認証コピー
年金団体に提出して完了です。
追記:
年金団体によっては、メールでの受け取りができないのもあるようです。
私の場合(ANZ)では、オリジナルを郵送するようにとのメールが届きました。
EMSだと高額なので、私は航空便(追跡つき)ので560円でおくりました。
↓こんな感じ
移民局への提出書類
次に移民局にビザ失効の証明をしてもらう場合の方法を紹介します。
必要な申請フォーム(1194)は下記になります。
→Certification of Immigration Status and/or request to cancel a Temporary Resident Visa
このフォームは全部で6ページありますが、最初に2ページは説明のみなので3ページ目から説明していきます。
Form 1194 : 3ページ目
1:名前
2:オーストラリア入国時の書類に記載されている名前
一番目と同じ場合は”AS ABOVE”と書く。
3:オーストラリア入国時と名前が違う場合は入力
4:性別
5:生年月日
6:出生国
7:国籍
8:オーストラリアをすでに出発済みか
9:現在の連絡先
10:電話番号
11:移民局より連絡を受けることに承諾しますか?
12:現在のビザのステータスを知るためにこのフォームを使っていますか?
「はい」を選択して次のページ(Part B)を入力していきます。
Form 1194 : 4ページ目
13:オーストラリア到着時の詳細
- 到着日
- 到着場所
- 到着便
- パスポート番号
14:オーストラリア出国時の詳細
- 出国日
- 出発場所
- 出発便
- パスポート番号
15:18歳未満の時に入国した場合に記入
16:年金団体の(スーパーファンド)の詳細
移民局はここで指定した年金団体に、ビザ失効の証明を連絡します。
17:証明審査にかかる費用の支払い
ここで、ビザ失効証明の手続き審査料の支払い証明を入力します。
支払い方法は移民局のIMMI Accountより可能です。
持っていない場合は作成可能なので、作ってから支払います。
ビザ失効証明申請費用の支払い方法
移民局にビザ失効を証明してもらうための費用を支払います。
その方法は
IMMI Account を作成後ログインします。
ログイン後、案内の右下の「Continue」をクリック。
My payments → Manage paymentsと進みます。
「Pre-pay Paper Service」を選択。
「Pay other application」を選択します。
「Processing Office」を「Lee St – Sydney」に選択。
Amountの項目にある「Calculate」をクリックすると、ポップアップ画面が立ち上がります。
申請する日を選択して、「Departing Australia Superannuation Certificate」を選択し、「Calculate」をクリック。
費用が算出されますので「Continue」をクリックします。
入力した項目を確認し「Continue」をクリック。
支払い方法が
- クレジット・デビットカード
- PayPal
- Union Pay
より選び、「Submit」をクリックします。
必要な項目を入力し、「Submit」をクリック。
支払いが終わると「Reference Number」が表示されるので、ここにある番号を「17」の項目の所に入力します。
※このやり方は、移民局のサイトを参考にしました。
Form 1194 : 5ページ目
18:このフォームでビザキャンセルのリクエストも行いますか?
Noを選択して次のページへ。
Form 1194 : 6ページ目
23:このフォームの入力に第三者の助けをえましたか?
「No」を選択し、27へ
27:この申請に関する連絡は「Myself」へにチェックをいれます。
28:自分のサインと日付をいれて、フォームの入力は完了です。
あとは、スキャンをして
super.payment◆homeaffairs.gov.au
へ送って完了です。
※◆を@に変更します。
ビザの失効証明まで1ヶ月ほどかかるとありましたが、2・3日でこのようなメールが送られてきました。
年金団体と自分あてに、「DASPの権利ありますよ」と連絡してくれます。
お疲れ様でした。
追記:
オリジナルを郵送してから3週間ほどで、指定先の銀行口座にちゃんと振り込まれていました。
※OnePath=私の使っていた年金団体