金曜島 はオーストラリア北部のアラフラ海にあるトレス海峡、ケープヨーク半島の先端にあります
そのままですが、フライデー島とも言われています。
ワーホリ時代にとてもお世話になったこの地に「また行きたいなぁ〜」とは思っていたものの、仕事の都合でなかなか叶わなかったのですが、ようやく再訪することができました。
「日本でできない経験を約束します」
たしかそんな感じだった求人広告の内容に興味をひかれ、当時情報を集めてもあまり良い印象を持たれている意見がありませんでした。
- 蚊に刺されまくる
- 休みがない
- 給料が安い
- 遊び場がない
- 共同生活がきつい
などなど。。。
正直行く前に不安はありました。
「大丈夫だろうか・・・」
学生時代から「端っこ」が好きだった私。
席替えでは常に四隅になることを願っていた私。
この好奇心がドンドン膨らんで行き、ついに思い切ってメールにて応募した翌日。
ガーン・・・
電話が苦手なので、かなり気合いを入れてメールを書いたのですが、不合格・・
人手が足りているので仕方のないことなのですが、結構ショックでした。
まだ採用が決まったわけではないのに、勝手に金曜島での生活に妄想を膨らましていたので、採用されなかった時のことなんて考えてませんでした 汗
「どうしようかなぁ〜」なんて考えていたら、数日後に
「空きがでたので来れますか」?
との連絡。
「ありがとうございます!ぜひ行かせてください」!
と即答していました。
人手が減ったのに「ありがとうございます」には「しまったぁ」と思いつつ、すぐに航空券を手配。
木曜島に到着
木曜島への行き方はこちらの記事を参考にしてみてください。
→木曜島への行き方3つを紹介!アラフラ海にあるトレス海峡の魅力とは?
金曜島でお仕事
あっという間の6ヶ月間でしたが、とても有意義な時間でした。
島に行く前にもらった手引きのなかに「5年後10年後にすごくよい思い出になるはずです」とありましたが、私にとっては本当にその通りです。
ここで得た経験が、今私が生涯を通じて行いたい事を見つけるきっかけをくれました。
ということで今回のきじでは、クイーンズランド州最北端、アラフラ海はトレス海峡にある金曜島について紹介します。
金曜島で仕事を考えている方にも、私が個人的に思う「向き・不向き」についても紹介します。
ぜひ、参考にしてみてください
金曜島 への行き方
金曜島へ行く方法は主に2つです。
それは
- ツアーに参加する
- スタッフとして行く
です。
というのも、金曜島には決まった交通機関がありません。
木曜島から船で15分ほどの距離にあります。
金曜島と木曜島の間には橋もありませんから、船での移動が必然的になります。
ツアーに参加する
金曜島では木曜島発のツアーがあります。
私が働いていた当時(2012年)の内容は、
- ランチ
- 真珠核入れのデモ
- お買い物時間
- 自由時間
という内容でした。
このツアーに参加する場合は木曜島に滞在中にホテルの人に聞くか、パンフレットに書いてある電話番号に電話して予約することができます。
ツアーに参加する場合は、大きなバージ船で来ることもあります。
ちなみに、ツアーでだされるランチはかなりクオリティーが高いものです。
島でとれた新鮮な魚や野菜を使ったものです。
私がいた時に提供していたのは
1:イワシ・玉ねぎ・人参のなます
2:島で採れた魚を揚げて和風ソースにからめた絶品料理
3:日本風の巻き寿司
4:真珠貝の貝柱と白身魚のソテー
5:デザートのセイゴプリン
6:今は法律の規制の関係で提供ができなくなったとされる「カルパッチョ」
ツアーの食事を楽しむお客さんたち
スタッフとして行く
スタッフとして行くばあいは、金曜島のスタッフまたはオーナーの高見さんが木曜島まで迎えにきてくれます。
ホーン島から木曜島に着いた時の桟橋で落ち合うことになります。
金曜島の生活&仕事
金曜島の生活スタイルや仕事内容について私の体験談を元に紹介します。
ここでの生活や求人に興味を持っている方は参考にしてみてください。
ここの仕事は合う・合わないがハッキリする場所です。
私自身はとても楽しく過ごすことができ、働ける期間の6ヶ月間すべて使い切りました。
また、ワーホリが終わった後も、遊びに来る人がいる場所でもあります。
もちろん、生活が合わずに1週間たたずに帰る人もいます。
私の記事を読むことで、少しでも「思っていたのと違う」といったミスマッチが減ることに貢献できれば幸いです。
ただ私が働いていたのは2012年になりますので、時間の経過とともにその様式も変わって行くこともありますので、その点はご了承ください。
金曜島では、生活と仕事が一体化しています。
金曜島での仕事
金曜島は真珠の養殖場とういこともあり、おおきく分けて、
- 真珠貝の掃除
- ツアー客の対応
の2つになります。
真珠貝の掃除
真珠貝の養殖ですので、その手入れが必要になります。
具体的には、貝掃除です。
真珠貝は、バスケットに入れられた状態で、イカダから吊るされています。
貝に付着した海藻などを取り除いてあげるのがお仕事です。
この海上にあるイカダに「シーハウス」と呼ばれる簡易小屋を船で運んできて、ロープで結びつけるのです。
普段は桟橋に停留しているシーハウス
これを船で押しながらイカダまで運びます。
作業の様子
写真では伝わりにくいのですが、風が強かったり潮の流れが早かったりすると、イカダは結構揺れることもあります。
上の写真では私がカゴをイカダから外しているところです。
これを何個かまとめた状態で、シーハウスまで運んできます。
カゴは真珠貝+水を吸った海藻なので、結構な重さがあります。
これを揺れるイカダの上を歩きながら運ぶ必要があるので、それなりの運動神経が求められます。
私がここで働いていた時に書いた記事に、この辺が詳しく書かれています。
イカダの手入れ
常に海にさらされた状態にあるイカダを定期的にメンテナンスをする必要があります。
ツアー客の対応
2018年に再訪した時は、ツアー客の対応の方が多いとおっしゃっていました。
なので、イカダの数も私が働いていた2012年の時より少なかったです。
ツアー客の対応は
- 予約管理
- 買い物客へ販売&対応
- ランチの準備
が主なタスクになります。
予約は英語でくるので、英語力があった方が重宝されます。
また、真珠商品自体が値段が結構するものですから、買い物客の質問等への対応も必要ですので、英語力や接客経験があると有利に働くかもしれません。
また、ランチの準備に関しては、準備から給紙、後片付けと一連の流れをすべてスタッフで行うので、テーブルごとの進捗状態の確認なども必要です。
ここでは飲食店での経験があれば役に立つかもしれません。
金曜島での生活
メインとなる仕事は上の2つに感じましたが、それ以外にも島でやることは沢山あります。
「真珠貝の掃除」や「ツアー客の対応」は、あくまでメインであって、それを行うための事前準備などがあります。
例えば
- 買い出し
- 魚の調達(釣り)
- 畑の管理
- 動物の管理
- 庭の管理
- 燃料の調達
- 船の操舵
- 家の掃除
などなど。。
日本語で「仕事」というと、勤務時間が決められている状態で、仕事内容もあらかた決まったことを行うイメージがあると思います。
しかし、実際に島で生活していると、かっちりとした「勤務時間」「仕事内容」というのはなかなか難しいことだと思います。
みんなが臨機応変に対応しながら協力しあい、適材適所な感覚で助け合いながら生活します。
周りの環境を見て、「何を行うべきか」というのが求められます。
つまり、『島での生活=仕事』と捉えてしまう結果、「休みがない」という意見がでてくるのかなとも思います。
お互い協力しあいながら島での共同生活ですから、「自分が何でもできる自由な1日」というのはなかったです。
それでも、私が楽しく6ヶ月間働くことができたのは、「捉え方」、「何を求めてきたか」に寄るものが大きいかなと思います。
金曜島の仕事が向く人・向かない人
できることが増えるにつれ、ここでの生活は楽しくなる
たしか、このようなことをオーナーの高見さんに言われた記憶があります。
そして、このことは今回再訪した時に痛烈に感じました。。。
金曜島をお勧めしない人
私の独断と偏見ですが、金曜島での仕事をお勧めしない人は次のどれかに当てはまる人です。
- ワーホリの延長目的だけ
- 仕事と休みのメリハリが欲しい
- 休日は飲みに行きたい
- 完全なプライベートが欲しい
- 虫が苦手
私が「ワーホリの延長目的『だけ』」と書いたのには理由があります。
ワーホリを延長したいと思ったことがきっかけで、金曜島での仕事を知るのはありだと思います。
ただ、数あるファームジョブのなかで、金曜島を選んだ理由が上記にあげた状態では勿体無いと思うのです。
後述しますが、ここでの経験・体験は日本にいても、オーストラリアにいてもなかなかできるものではありません。
誤解してほくないのですが、私は仕事をする条件として上にあげた理由を完全否定するつもりは全くありません。
私自身、日本にいても、オーストラリアにいても普段の仕事ではそういう条件を求めていました。
ただ、実際に金曜島で働いてみて感じるのは、これらの条件を期待して金曜島で働き続けるのはストレスになってしまうと思うのです。
先ほど、生活と仕事がほぼ一体化と伝えましたが、オンオフ関係なくお互いが助け合うことで、時間的余裕が生まれます。
また、この地域に関する知識が豊富な高見さんへの負担もへります。
その結果として、空いた時間にいろんな経験をすることができます。
その経験を楽しめる人こそ、金曜島での仕事に向いているのではと思います。
金曜島を楽しめる人
私が思う金曜島に向いている人といいうのは、
- 人生経験を求めている
- 自然の中に楽しみを見いだせる
- 学ぶ意欲が強い
- チャレンジ精神旺盛
- アウトドアに抵抗が無い
人かなと思います。
ここでは、金曜島で生活していた時、「ここでの生活は楽しいなぁ」と思えたことをあげて行きます。
自分の時間・完全休みな1日よりも、こっちの方が楽しそうと思えたら金曜島での生活が向いているかもしれません。
あっ!ちなみ、この順番は楽しかった順番ではなく思いついた順に書いてます。
ここでは書ききれないくらい、楽しい思い出は、金曜島のブログの方で滞在中(2012年5月〜11月で書き始めたのは9月から)に私が書いていますので、興味のある方はそちらも参考にされてみてください。
1;魚釣り
私は日本にいた時は釣りは1回行ったことがある程度でした。
それが、ここにきて初めて釣り上げた魚がこちら
もう、そこから「釣り」の楽しさに見せられてしまい。
滞在中は釣りの機会を伺っていました。
つまり、毎日「島での生活に必要なことを全て終わらせて、釣りができる状況を作り出そう」!と日々動いていました。
ここで魚釣りをしてしまうと、ケアンズではまったく釣りをする気も起きませんでした。
それくらい、ここでの釣りは楽しいのです。
日本では高級なクエ(アラ)も釣れます。
金曜島の桟橋からも釣ることができますが、船の操舵ができるようになり、高見さんから安心して船の使用を認めてもらえたら、自分で船をだして釣りに行っていました。
もちろん、それまでに漁礁の位置やアンカーを落とすポイント、潮のタイミングなどを学んで起きます。
そうすることで、高見さんに負担をかけることなく、自分たちで楽しむことができるようになります。
2:トローリング
1年のある時期にマグロやカツオがトレス海峡にやってきます。
その時期になると、時間があればトローリングにでることがあります。
トローリングとはルアを海に流しながら船を操舵して魚を釣る方法。
金曜島では、自家製のルアーを使いマグロやカツオを捕まえます。
真珠貝と魚の皮を使った自家製のルアーです。
トローリングする時は、鳥の群れを探してボートを走らせます。
鳥がわさわさしているところに、小魚が大量にいます。
つまり、マグロやカツオに追われている小魚達を鳥も狙っているのです。
そこをルアーを垂らしたボートで横切るようにしていくことで、引っ掛かります。
獲れたてのマグロをムツゴロウのように可愛がる私
日本でいうコシナガマグロと縞鰹がとれます。
(漁業関係者に教えてもらいました)
美味しい握り寿司(マグロ&クエ)
お腹の部分は天日干し
サワラが釣れたら干物にしたり。。
新鮮過ぎるカツオのタタキ(私の一番の好きな食べ物)
ココナッツの繊維で炙ります。
3:サメ釣り
私が金曜島にいた時、サメを釣っていました。
理由は
- 釣りの時に強奪される
- 畑の肥料にする
この2つです。
釣りで引っかかった魚をサメに強奪されます。
釣り糸で引っ張っているので、群れから離れているため、サメの標的になります。
サメはものすごい力で、糸を引っ張っていってしまう為、サメに強奪されると仕掛けを全て失います。
スーパーもない島に済むと実感するのですが、
「貴重な食料を奪いやがって」
という気持ちが芽生えます。汗
で、とくに金曜島の桟橋付近でサメに味をしめられると立て続けにやられるます。
そうなると食料は失うは仕掛けは失うはで散々です。
で、ちかくの木曜島にいくのにも往復で燃料代50ドルがかかります。
捕まえたサメは畑の肥料にします。
金曜島の裏庭には、パッションフルーツやパパイヤの木があったので、その近くに埋めていました。
サメを釣ることで、魚を強奪されることなく、木曜島にわざわざ肥料を買いに行く必要もないので、一石二鳥なのです。
4:料理
高見さんの料理の腕はすごいです。
魚を捌く技術はもちろんですが、私がひそかに好きだったのが「キスの天ぷら」です。
金曜島の周りでは、サヨリやキスが取れます。
地引網で大漁に取ることができます。
とれたてのキスを天ぷらに。。。
実は私、ここに来るまで天ぷらが好きではありませんでした。
それが今では「天ぷら」が大好きです。
福岡にいた時は、よく「天ぷら ひらお」というチェーン店ながらハイクオリティな天ぷら屋さんによく通っていました。
もちろん、キスは絶対に外せないメニューでした。
また、タイの握り寿司も絶品でした。
私はここに来るまで魚をさばいたことがありませんでした。
それでも今ではそれなりにおろせるようになり、福岡にいた時はよくブリ一匹まんま買ってきてさばいていました。
ゲストハウスに勤めていたこともあって、お客さんに提供していました。
5:蟹取り
干潮の時、金曜島の対岸で蟹取りもできます。
もしくは、蟹籠を仕掛けてノコギリガザミを捕まえることも。
捕まえた蟹は、パスタに。。。
金曜島の雰囲気
私が金曜島で撮影した動画をまとめました。
金曜島での生活について、少しでもイメージがわけば幸いです。
注:エンターテイメント性はゼロなのが申し訳ないのですが、あくまで情報収集として参考にしてみてください。
2018年と2012年に撮影した動画が混ざってるので、画質がかなり荒いのもありますがご容赦ください。。
再訪して感じたこと
ワーホリ時代でスタッフとして過ごした6ヶ月間は本当に良い経験で大切な思い出となりました。
その思いを胸に、オーストラリアを一旦離れる前に挨拶に行こうと思い訪れたのですが、正直なところ
「肩身がせまい」
と思わずにはいられませんでした。
それは上にあげた
できることが増えるにつれ、ここでの生活は楽しくなる
の真逆を感じずにはいられなかったのです。。
6年ぶりだっため、船の操舵はもちろん、島での生活の勝手やどこに何があるのか何もかも忘れてしまっています。
魚を釣っても、冷蔵庫のスペースを取ってしまうのでは?
真空パックを借りようにも場所をきかなければならない。
つまり、何をしようも、
高見さんの負担になってしまうのでは?
スタッフさんに迷惑をかけてしまうのでは?
という思いが常に付きまとってしまっていまいた。
どうしても遠慮ばかりしてしまっていたのです。
今回は知り合いと一緒にお邪魔したのですが、その知り合いは「ケアンズ永住者」であり、図工関係が得意な方。
島に必要なものを送ることもできるし、修理が必要な箇所を直すこともできる。
それに比べて、私は「返せるものがなにもない。。」と引け目を感じずには要られませんでした。
高見さんやスタッフの方々がどのように感じていたかはわかりませんが、どうしてもそう思ってしまっていたので、思い切り遊ぶことができなかったかなぁというのが正直な感想です。
(これは個人の性格によるのかもしれませんが。。)
もちろん、また6ヶ月働くつもりで赴いていれば、島での生活リズムを取り戻し仕事にせっせと貢献することで、より滞在を楽しくすることができてたであろうと思います。
私がこんな凹むようなこうとをあえて書いてまで伝えたい事は、
「金曜島の生活が魅力に感じたのであれば、ぜひ応募してみてください」
「実際に働く場合は、高見さん、他のスタッフさんの負担を減らせるように行動してみてください」
「そうなれば、金曜島での生活は本当にかけがえのない財産としてあなたに残るはずです」
なかなかうまく、説明できませんが、金曜島の求人に興味のある人に少しでも参考になれば幸いです。