物価が安く、食べ物が美味しいと話題になりつつあるジョージアの首都トビリシに1ヶ月ほどプチ移住してノマド的生活をしてみました。
観光地巡りはせずに、どちらかというと「そこで生活」という感じでの滞在がメイン。
1ヶ月目の滞在コンセプトは基本的に
- 安宿(ドミトリー)
- できるだけ食費も押さえ気味
という感じで過ごしてみました。
というのも、トビリシに移住が気になっている方というのは、「物価の安さに1番の魅力を感じている部分が多い」のかなと感じたからです。
ネット上では、わりかしポジティブ系の情報がやや多いように感じ、いつぞやの「地上の楽園」を彷彿させるような勢い。
そこで、薄情を絵に描いたような人間と言われる隠キャな私が感じたメリットとデメリットの両方をお伝えします。
ちなみに私が滞在中に出会った方達は
「美味しいけどあそこまで言うほどかな・・」
「もう飽きた」
と述べている方達もいます。
なので、あまり期待値を上げ過ぎて実際にきてみたら
「ちょっとイメージと違うかも・・」
となってしまう人が少しでも減るように私の経験談を元に、この記事を書きました。
もちろん、どう感じるかは自分の今のライフステージや目標によって変わってくると思います。
また、長く住んでる方や明確な目標がある方からしたら「1ヶ月程度で何がわかる!」や「これからグングン伸びる!」みたい思われるかもしれませんが、この記事の主な対象者は
「物価も安いって聞くし、日本は居心地が悪いし住みにくいからジョージアに住んでみようかな」
「ノマドに最適って聞いたし、月5万なら日本よりマシかも」
と考えている方達で、かつ海外経験がない or ほとんどない方。
「どの国も良い面もあれば悪い面もあるのは当たり前」という感覚はある程度海外経験を積んで蓄積されて行くものじゃないかなぁと感じます。
なので、「住めば都」になる前に、萎えてしまう事もあるのでは?と思ったりもしたので私の感想をシェアしたいと思った次第です。
トビリシに住んで感じたメリット
旅行ではなく「トビリシでの生活」に興味を持ったと言うことは、おそらく次の項目のうちどれか、または複数に当てはまるのではないでしょうか?
- 物価が安い
- no visaで1年滞在
- 食べ物が美味しい
- ワイン・ビールが安い
- 起業しやすい
物価が安い
で、実際にちょっと住んでみて確かに物価は安いです。
宿はドミトリーであれば500円代が普通にありますし、シングルでも1,000~1,500円で滞在が可能です。
なので1ヶ月15,000~45,000円の間で宿が確保できますし、Airbnbとかで5万円だせばかなり良い感じのアパートを借りることができます。
食費に関しても自炊・外食ともに安いです。
例えば日本やオーストラリアのスーパーだったら1つ1000円以上はするであろう牛肉のヒレステーキ。
このヒレ肉二つで10ラリ(400円以下)です。
※1ラリ36円計算
ちなみに高級チックなレストランで
- ステーキ
- サラダ
- 赤ワイン(グラス)
を頼んだ時は65ラリ(2,300円)ほど
ちなみに生活費を抑える為に500円台の安宿で、自炊となるとキッチンの取り合いということも十分にありえますのでその辺も留意しておく必要があります。
(そうした事がストレスに感たりしなければ大丈夫かと)
またスーパーの惣菜コーナーのサンドイッチ等は3ラリ(100円)くらい。
ジャンクフード的なケバブも通常サイズが6〜9ラリほどです。
(観光地エリアは若干高めに設定)
ワインバーでは一杯あたりだいたい9〜13ラリで飲めます。
また、ジョージアでの医療保険も1日1.5ユーロくらいからあるそうです。
私の場合はとりあえず3ヶ月以内に日本に帰るので、クレジットカードの海外保険を使えば良いと考え特にはいりませんでした。
No Visaで1年滞在可能
ジョージアは日本のパスポート保持者に対して、特別なビザの申請を必要とせずとも1年間の滞在許可が入国審査の際におります。
参考サイト:ジョージアの移民局
確かに無料でこうした滞在許可がでるのは魅力的に感じますが、これが実際にメリットになるかどうかはあなたがジョージアに住みたい!となった時です。
こればっかりは実際に自分で現地で生活してみないと判断ができない要素。
逆に。「1年住むのはちょっと・・・」と思うようであれば、あまりメリットにはなりません。
食べ物が美味しい
これはかなり主観的な要素なのですが、私個人的にも美味しいと思います。
ただ、ジョージア料理を毎日食べたいか?と聞かれると「う〜ん。。。」となります。
基本的に味付けが濃く、しょっぱいと感じました。
私以外の日本人の方もそう言う意見を持っている人がチラホラ見受けられました。
なので旅行できて短期間であれば、ジョージア料理を楽しむことはできますが、生活して毎日となると疑問かなと。
そうしたこともあり、私は定期的にタイ料理屋さんに行ってました 汗
ワイン・ビールが安い
ワインの種類も豊富かつワインセラーも多いので、ワインが好きな人にとっては楽しい国かもしれません。
ワインバーに気軽に入って試飲しつつ、自分の好みワインを発掘するのも楽しいと思います。
こうしたバーで飲んでも1杯あたり400円くらいです。
起業しやすい
ジョージアは起業しやすいと聞きます。
法人税は基本的に15%ですが、条件を満たせば0%と言ったことも聞きますし、会社設立までのコストも日本に比べて格安とのこと。
Georgian FIZs are located in 3 cities: Poti (a seaport), Kutaisi (country’s third largest city), and Tbilisi (the capital of Georgia). Companies that operate within the FIZs can benefit from 0% tax on corporate income, import, and property as well as significantly reduced VAT rates.
参照元:nomoretax
しかも、日本とは二重課税を防ぐための協定を結んでいます。
Ministry of Finance of Georgia → Double Taxation Avoidance Treaty
※日本との書類にある協定国として「SOVIET SOCIALIST REPUBLICS:ソ連」とありますので、最新のものなのか定かではないのですが。。
ジョージアでの所得税は一律20%ですが、ジョージア国外からの所得に対しては0%。
The flat rate of Georgian personal income tax is 20%. An individual is considered to be a Georgian tax resident if she/he resides in the country for at least 183 days per year
参照元:nomoretax
Tax residents are only taxed on their Georgian-source income. This means that income earned abroad is not subject to Georgian taxation.
参照元:flagtheory
ジョージアでの課税対象者となるには、1年の期間で183日以上滞在することが条件。
で、私の場合ですが、トビリシに183日以上住みたいかと聞かれると「いや〜ちょっと。。。」と感じてしまうんですよね。。
トビリシに住んで感じたデメリット
私がトビリシに住んで感じたデメリットは
- 空気が汚い
- 食事に労力がかかる
- 地政学的リスク
- 居心地がそこまでよくない
ということ。
空気が汚い
これはもう仕方のないことなのだとは思いますが、やはり空気が汚いと呼吸がしにくいです。
街並みはとても綺麗で散歩が楽しく感じるのですが、いかんせん空気が汚いので若干萎えてしまう時もあります。
私は福岡にいた時、PM2.5は特になにも感じないくらいでしたが、トビリシの空気は汚く感じました。
車の土埃&排ガスなど、盆地ということもあり、旧市街エリアを歩く時は特に空気の汚れが気になり、「深呼吸したくない」となります。
それに加えて、スモーカーも多く、歩きタバコが平然と行われていますし、タクシーの運転手もタバコを吸っている事があります。。
食事に労力がかかる
これが私にとって一番大きな要素です。
というのも、私は自分の体型コンプレックスを変えてくれた自重トレを行なっています。
で、こうして体型を改善して感じるのが「食事の大切さ」なのですが、私の調査不足なのか食事に苦労することが多かったです。
スーパーも、店舗によって野菜やお肉の質が「これは購入したくない・・」ということも多く、良いなと思うスーパーはちょっと滞在先から遠かったりします。
柔らかいヒレ肉を頼んだ時、同じトレーに入っている肉でも硬いことがあり、「あれっ?」となることも。
柔らかいお肉が食べたければ、下ごしらえ(たまねぎやパイナップルをつける)などしておく必要や、一番無難なのは鶏肉かなと。。
また、レストランで食べようと思っても、食べ物がでてくるまで時間がかかることが多いです。
時には、オーダーを取りに来るまでに5分10分以上待たされることもよくあったかな。
これが短期旅行でのんびりしたいという状況であれば、そうした事も気にならないかもしれませんが、生活となると食事以外にあれこれしたいということもあります。
外食の安さに魅力を感じ
「外でパパッと食べて、あとは仕事〜」
とは行きにくいです。
このように、家で作るのが面倒だし、外食でも安いからと思っても待たされるので結局時間が取られます。
ということで、私は食事配達アプリなども使っていたのですが、割高になりますし配達されるころには冷めているので「う〜ん」ともなります。
ちなみに、ファストフード的なものでも、この食事配達アプリを使う人が多いので、お店の前で多くの配達員が並んでいます。
配達アプリには「お届けまでの時間」みたいな要素があるので、お店側ももしかしたらそちらの注文を優先したくなるかもしれません。
これが東南アジアの屋台であれば、注文してからパパッと比較的早くでてきますので、どうしても比較してしまいます。
そして私はパンよりもお米が好きということも大きいです。
お肉を含む物価は安いので、自分の滞在先近くに良質な食材が手に入る場所があればまた違った見解が生まれたかもしれません。
居心地がそこまでよくない
なんといいますか、コミュニケーションの難しさと、なんとも言えない殺伐感を感じました。
私はジョージア語を話せないので、会話の際は
- シンプルな英語
- 頑張って笑顔
で極力相手に不快感を与えないように配慮しているのですが、あまりにも素っ気ないことが多いので萎えつつあります。
もしかしたら、日本みたいに「知らない相手には笑顔を見せない」と言うのがジョージア流なのかもしれませんし、「面倒くさいなぁ。。ジョージア語話せよお前。。」と思われているのかもしれません。
この辺は変にオーストラリア流(目が合えば笑顔)が染み付いてしまっている私の方の問題かもしれません。
比較対象例がないのでこれが反日だとかアジア人差別とか言うつもりはないのですが、日常生活において「居心地が悪い」と感じることが少なくなかったかな。
たまに「ジョージアは親日国!」「親日な人が多い!」みたいな情報をみたりしますが、私個人的に親日国という言葉って相手国の人にも日本人にもあまりメリットがない気がします。
親日国という言葉で括ることで、日本人は変に期待値が上がるかもしれませんし、現地の国民は勝手に期待されるので良い迷惑だと思います。
大半の人は「別に特別な感情はない」という状態かな思いますし、「日本人嫌い」という人だっていると思います。
なので、国で括るよりも個人単位で「あの人は親日だよ」という使い方が適切だと思う人間。
もちろん、笑顔で対応してくれた優しいお方もこの1ヶ月で5人ほどいらっしゃいます。
手が乾燥しすぎてレジ袋をひらけなかった時に、めっちゃ笑顔で助けてくれたスーパーの綺麗なおばちゃん。
安宿2ヶ所目(Imperial hostel)のガードマンの青年
ファブリカの近くにあるWin line Cellerの強面のおっちゃんと、もう一人のおばちゃんスタッフ。
ただ、公平を期す為にお伝えしておきたいのが、もしかしたら私が塩対応されるのは、「なんだその目つきは!」と言われる風貌と隠キャ気質、かつジョージア語が「ガマジョバ(こんにちは)」と「マドロバ(ありがとう)」しか言えないのが原因かもしれません。
宿で出会った日本人の方は、
「ジョージア人めっちゃ愛想いいですね!」
という印象を持たれていたので、私の方に不備があるのかもしれませんが・・・汗
あと、一番印象に残っているのは、宿の建物内で違う部屋に住むおばぁちゃんが玄関から出てきた時に「ガマジョバ」と言ったら、顔をくしゃくしゃにして喜んで「ガマジョバ」と返してきた後にジョージア語をマシンガンのごとく浴びせられたのが嬉しかったです。
地政学的リスク
ジョージアってロシア?とあまり関係がよくないみたいですし、まわりの国もあまり情勢が安定しているとは言えない状況です。
先日も政府関係機関のサイトがサイバー攻撃を受けたりしているみたいですし。。。
私自身は、そこら辺のことに関して詳しくはありませんし、次の項目で紹介するように、「トビリシに長く住みたい」とは現時点であまり思わなかったので、詳細を突っ込んでしらべる気は現状ありません。
私はトビリシに住みたいか?
ジョージアは日本のパスポートさえあれば、1年間の滞在が可能です。
ただ、それでも私はこの都市に住み続けたいかといわれれば
「う〜ん・・日本や東南アジアの方が良いかな・・」
「短期旅行なら十分に楽しめると思う」
「年に1・2ヶ月なら滞在できそう」
と感じました。
生活費は切り詰めれば5万円以下でも可能でしょう。
1泊500円以下のドミトリーに滞在し、食費も自炊を中心としスーパーの惣菜コーナーや街中のパン屋を使えば安く抑えることが可能です。
ただ私の場合、惣菜コーナーで2度お腹をくだしたのと、食費を切り詰めすぎると気分が下がりやすいようです。
となると、No visaで1年滞在というのも別に今の所メリットに感じません。
- 銀行口座を開設しやすい
- 起業しやすい
- 街中に無料wifi
- No Visaで一年滞在
ということは、そうしてでも「人を集めたい」と捉えることもできれば、そうでもしないと「人が集まらない」と捉えることもできるかと。
実際、海外系のノマドの人も「ジョージアはコスパが良い」とは言っているものの、ず〜っと滞在している人がそこまで多くはない気がします。
もちろん、ジョージア以外で他にやりたいことがあるのかもしれません。
あと、彼らは10〜15万あれば快適な生活ができると言ってますし、私もそれに同意します。
ただ、反対に東南アジアには長期滞在者が多いのにも理由があるのだとも思います。
今のジョージアのこの状況を発展の黎明期と捉えて挑戦して成功する可能性もなきにもあらずですが、ネットだけのポジティブな情報を過度に期待しない方が良いかな〜と思ったりしました。
居住国を変える時の注意点
とはいえ、私は「ジョージアはやめた方が良いと」というつもりは全くないですし、どちらかといえば「興味があるなら試しに来てみれば?」と思っている人間です。
人がどうこう言おうが、結局のところ自分で実際に経験してみないと何も始まりません。
- 価値観
- ライフステージ
- 金銭感覚
- ジョージアに求めているもの
人それぞれです。
飛行機代は高くつくかもしれませんが、現地での滞在費は比較的安く済むので、現状を打破したいし未来の自分への投資と割り切ってしまえば失うものってそんなないんじゃないかなと思います。
ただ、ネット上にはポジティブな情報で偏っているように感じたので、そこだけを切り取って来てしまうと「あれっ?」となるかもしれないので、この記事を書きました。
で、私は10代の時にオーストラリアに飛び込む形で住み始め、30代になってトビリシを移住先に考えていました。
私自身、居住国を変える時に把握しておいた方が良いなと思う点が
- 居住先での目的
です。
居住先での目的
今いる場所からなぜトビリシに行くのか?
トビリシで何を達成したいのか?
この軸を持っていることが嫌なことが会った時も耐えられる為に大切だと思います。
私自身、オーストラリアに飛び込んだ時「英語を習得してやる!」という軸がありました。
なので
- コスパ最悪な外食
- 質の悪いサービス
- アジア人差別
- バイト先でのいじめ
- 大学の授業料ネコババ未遂
など嫌なことがあっても目標達成の為に耐えることができました。
これが、ただなんとなく「日本が嫌だから・・」だと、現地で嫌なことが会った時に「日本の方がマシかも・・」となってましかねません。
で、もしトビリシに来る理由の一つに「物価の安さ」があるのだとしたら、いずれにせよ「衣食住」の質が日本より下がる可能性があることは覚悟しておく必要があります。
もちろん、もし今東京で家賃8万で狭い部屋で生活であれば、こっちで5万円あれば良い賃貸を借りることが可能です。
でも、こっちで生活するということは収入も変わるでしょうし、そうなった時に1泊500円の安宿で
- 相部屋ドミトリー
- 早朝にビニール袋ガサガサ
- となりの人の臭いが・・
- 深夜にイヤホンせずに音楽
- 謎に威圧的な人
- キッチンの譲り合いor取り合い
- 冷蔵庫の場所取り
- 深夜の話し声
といったことでも問題ないか?
(すでにネットで収益をあげている場合は別ですが・・)
これまでの日本語での生活から街中で言葉が通じにくい環境や、もしもの時の病院施設は大丈夫?
食事に関しては先述した通りのような環境でも耐えられるか?
慣れ親しんだ日本の味から変わっても大丈夫か?
私の場合は食事の質が下がると気分が下がるので、大変でしたがその辺は大丈夫なのか?
ちなみに、トビリシで知り合った方で「筋肉留学」ちっくな生活をしている方は、「筋肉の為に我慢っすよね!」と言いながら缶詰やバナナを頬張っていました。
また、これは私が30代となり価値観が凝り固まって来た結果、異なる環境に適応しづらくなっているのかもしれません。
10代や20代前半の時であれば、「う〜ん」となることなく適応できた可能性はあると思います。
なので、これまでの経験や生活の質、そしてライフステージの違いも入って来るかと。
結論からいうと「気になってるなら来てみれば?」ということと、その際は「過度に期待しすぎないこと」が大切ということを意識してもらえたらなと思います。
ぜひ参考にされてみてください。