留学当初、英語のスピーキングがダメダメ過ぎて、話しかけられても
『アイムソーリー、アイキャントスピークイングリッシュ』
といって、その場を立ち去ってしまった経験のある私。
そんな私でも徐々に英語を口から出すことに慣れ、最低限のコミュニーケーションが取れるようになってきた時に感じたのが
『いつも同じ表現ばっかり使っているなぁ』
『同じフレーズの使い回しから脱却したい』
と言うもの。
こういった悩みって英語を学習してるとどこかの段階で直面する悩みかなと思うんです。
実際、私がオーストラリアで働いていた時もこうした悩みを抱える方達がいたかなと。
『もう何年もオーストラリアにいるけど、同じフレーズしか出てこない』
『聞けばわかるけど、自分で使いこなせない単語が多い』
といった事で風に悩まれている方達。
表現の幅が少ないのは『語彙力の問題』だと思って、一生懸命単語本などやアプリを使って覚えようとするのも一つの方法なのですが、別のやり方も取り入れることで少しづつ表現できる数を増やして行くことができると考えています。
まず、使える表現を増やす方法として
- 足し算式
- 掛け算式
の2つのアプローチがあります。
足し算式で英語表現の幅を増やす
英語表現の幅を足し算式に増やすと言うのは、単語やフレーズの暗記になります。
ただ、この時に注意したいのが『インプット』と『アウトプット』の差です。
インプットとは知っている状態で
- 聞けばわかる
- 見ればわかる
といった受身的な場面であれば使えます。
対してアウトプットとは
- 書ける
- 話せる
と使える状態をさします。
このインプットとアウトプットの差はかなり大きいのです。
例えばネットでニュースを読んだ時に読める漢字を全て書けるか、というとそうでもないですよね?
漢字を書けるようになるためには、実際にペンを持って書く練習が必要です。
英単語もそれと同じで、実際に口に出して練習が絶対に必要です。
『アウトプットが出来るようになる為には、アウトプットの練習が必要です』
単語本や単語アプリを使って覚えるとなると、単語単体か例文のみに意識が行きがちになってしまいます。
なので私個人的には、こうした単語本や単語アプリよりも、英語学習者用の洋書をつかって覚える方をオススメしています。
洋書と聞くと難しいイメージがありますが、ちゃんと学習者向けにレベル分けされたものを購入することができます。
洋書にはストーリーがありますし、使われる英単語も前後関係の文脈をきちんと考慮された上で使われています。
話の流れや背景がわかっていれば、『こう言う場面で使われていた』と具体的に想像しやすいですから、話者の気持ちも汲み取った上で理解ができます。
言葉を話すと言うのは気持ちを伝えることでもあるので、この話者の気持ちを踏まえた上での理解は大切だなと私は感じます。
足し算式で覚える際の注意点
足し算式は暗記で覚えて行くことになるのですが、心構えとして
『1回で覚えられないのは普通』
というのを持っているのが大切です。
私も1回で覚えられることなんてないですし、繰り返し見て・聞いて・使って単語を覚えてきました。
この『音で聞く』と言うのも大切なポイントで、せっかく覚えて読んだ時に理解できたとしても、音をしっかりと認識していないと、リスニング時にその努力が活かされません。
例えばですがAnnihilate と言う単語。
これをもし『アニヒレイト』と頭の中で読んでいたら、実際に音を聞いた時に聞き取ることができません。
なぜなら、この単語は『アナイエレイト』と読むからです。
なので、単語を覚えるときは文字だけでなく音もしっかりと押さえておくことが大切です。
ただ、英単語は無限にあるといっても過言ではない以上、表現の幅=語彙力という考えでは果てのない暗記の道を歩んでしまうことになります。
だから、私は英語学習が初心者〜中級者の方は掛け算式で増やす方法をおすすめしています。
暗記で覚えるのは、英語を学び始めた最初の段階か、次に紹介する掛け算式をある程度おさえた上で、さらに
『ネイティブのような表現を身につけたい』
という場合に有効だと感じます。
掛け算式で英語表現の幅を増やす
掛け算式で覚えると言うのは英語の型、つまり文法を覚えることです。
文法は英単語と違い無限ではなく有限。
なので、一度覚えてしまえば使い回しが効きます。
型さえ覚えてしまえば、あとは単語を取り替えることで表現の幅を増やすことが出来るようになります。
で、文法を覚える際にも先ほどの習得度をしっかりと意識して行います。
私が覚えているのは 『免許証を翻訳してもらわなきゃ』という表現を使いたかった時、have + 過去分詞を使った
I need to have my drivers license translated
ということを様々な場面で繰り返し使っていました。
先生や友達A、友達Bに自分の近況を伝える時など、意識して口に出して練習です。
最初は、頭で文を思い描きながら話していたのですが、徐々にスラスラ言えるようになってきます。
そうなると、この文法の型が染み付いてきますので
I need to have my hair cut
と言う表現も使いこなせるようになってきます。
また、今度は似た単語を使った get + 過去分詞の表現も割とすんなりと言えるようになります。
それが染み付いてきたら、get + 人 + to 動詞の表現の練習も挑戦しやすくなり、
I’ll get someone to fix the door
といったように表現の幅が拡がります。
この表現の型が身につけば、get の部分をaskに変えたりして
I’ll ask someone to fix the door
というように単語を取り替えて表現の幅を増やして行くのです。
文法は1つの型を覚えると、知っている単語を取り替えて行くことで作れる英語の幅が拡がります。
正直、私個人的に感じるのが文法さえまずは押さえてしまえば、『通じる英語』の組み立てることが出来るようになると言うこと。
ただ、文法を学んでも英語を話せない、英文を作れない方がいるのは習得度の問題です。
私が学生の時、文法の問題は穴埋め式が多かったです。
Hanako ( ) going ( ) Sapporo This week end
みたいな感じの問題。
例えこれで高得点をとったとしても、これは消去法的に英文を作る能力であって、0から自分の伝えたい英文を作るのとは異なります。
0から英文を作るよりも、このような問題にした方が採点する方の負担が減るのも事実ですから、こうした方式が取られているのもあると思います。
でも、実際に英語を話すとなると、0から英文を組み立ててそれを口に出して発する必要があります。
その最初となる部分が構築されていないので、文法を学んでも話せないという結果になります。
だから、英文法を学ぶ時は学んだ構文をつかって自分の伝えたいことを0から組み立てる練習が必須です。
そして、『書ける』と『話せる』の間には大きなギャップがあるので、そこも埋めて行く必要があるのです。
基本的にサクサク書くことのできない英文は、サラッと口から出すことはできません。
なので、ライティング力はスピーキング力を決める伸び代とも言えます。
それだけでなく、文法は
- リーディング力
- リスニング力
- ライティング力
- スピーキング力
を決める土台となる部分です。
この辺の詳細は、こちらの記事で解説していますので参考にされてみてください。