この記事では
留学しいるけどリスニングが一向に伸びないぞ!
と感じていたり、または
留学はリスニング力向上にどれくらい効果的なんだろう・・
と思っている方に向けて、私自身の経験やオーストラリア留学時に知り合った方達の過ごし方と英語力を考察つつ、上の疑問に答えたいと思います。
ちなみに、私は日本で生まれ育ち、高校卒業と同時にオーストラリアの大学に進学。
当時の私のリスニング力は壊滅的で、日本から出国の飛行機が遅延しオーストラリア国内での乗り継ぎ便に乗り遅れた際、係員からの説明が全く理解できませんでした。
幸運にも、空港に日本留学経験のあるスタッフがいて日本語で説明してもらい事なきを得る事ができたのですが・・
そんな私ですが、現在はYoutubeで英語のコメディーを楽しんだり、趣味の筋トレや栄養に関する情報を学んだりできるレベルまでリスニング力をあげる事ができました。
もし、あなたが当時の私と同様
- 日本生まれ日本育ち
- リスニングが苦手
- 留学しているorしようと考えている
のであれば、留学でリスニング力をアップさせる為の3つのステップを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
留学でリスニングが伸びない要因を分析
英語力というのは、さまざまな要素が複雑に絡み合っていて、
『AのスキルをあげたいからAの学習をやりまくる!』
というスタンスではなかなかうまく上達する事ができません。
良い例が『聞き流し』ではないでしょうか?
- 毎日英語のラジオを聞いたり
- ニュースを英語の副音声にしたり
- 洋楽を聞きまくったり
- 洋画は吹き替えではなく字幕でみたり
と英語にたくさん触れているはずなのに、なかなか聞き取れる様にならないという場合は大いにあります。
リスニング力というのは
- 文法&語彙力
- リーディング力
という土台の上に+アルファで
- 英語耳
- 英語脳
が求められます。
つまり、リスニング力が伸びないと悩んでいる場合は、これら5つの要素の内どれが(複数の可能性もあり)足をひっぱているのかを見定める必要があるのです。
例えば、
『聞き取れるけど意味が理解できない』
という場合は、英語耳は備わっていますがそれを理解する、つまり読解力の問題になります。
読解力というのは語彙力と文法、そして英語脳によって構成されています。
英文を読んだ時、聞いた時に
- 日本語に直さずに理解ができるのか?
- 文法書や辞書を使って日本語に直す必要があるか?
といった部分を見定めて判断します。
例えばですが
This is the wine that I thought you said all the French people you had met in Paris described as ‘The King of Wine’
という英文を読んだ時にそのまま理解できなければ、音声で耳から聞いた場合にそのまま理解する事はできません。
この英文に使われている単語は難解なものはないかと思いますので、この英文を理解できるかどうかは文法知識の習得度になります。
留学の1番のメリットは、日本での生活に比べて
- 英語環境を圧倒的に作りやすい
- 英語を話さなければいけない環境が作りやすい
という2点です。
リスニング力を向上させるためには英語に沢山触れる必要がありますが、
- 文法力
- 語彙力
- 英語脳
を、まずは満たしてた上で英語漬けの状態を作らないと効果的に学習できるとは言えません。
いわば、これら要素はリスニング力の伸び代を決める要素とも言えます。
留学でリスニング力が伸びない人
私はオーストラリアに10年弱住んでいた経験がありますが、リスニングに伸び悩んでいる人の多くは
- 文法知識があやふや
- 受け身
という部分が共通していると感じました。
細かな部分は突き詰めれば、まだまだあるのですが最終的にはこの2つに大きく分ける事ができると感じます。
留学でリスニング力が伸びない原因1:文法があやふや
文法を抜きに英語力の向上は無いと私は個人的に感じています。
文法は最終的な英語力の伸び代を決める土台です。
高層ビルを建てる時に、基礎工事をしっかり行わないと途中で崩れてしまうのと同様に、高い英語力を手に入れるためには基礎となる文法の理解が不可欠です。
『文法は面倒・ややこしい』と感じるかもしれませんが、その数は単語と違って有限です。
単語をひたすら覚えるよりも、文法を先に学ぶほうが英語力を加速的に伸ばす事ができる様になります。
- 文法を学ぶ=掛け算式に英語力アップ
- 文法を学ばない=暗記=足し算式に英語力アップ
という違いが生まれるのです。
とはいえ、文法を学ばないで英語を学んでいては最終的に頭打ちが起きてしまいます。
英語というのは『配置の言語』と呼ばれ、単語は文の中の位置で意味が変わる言語。
例えば
- Sugar Free:砂糖なし
- Free Sugar:無料の砂糖
といった風に意味が変わります。
英語のこの要素は、文が長くなればなるほど大切になってきます。
短い英文であれば、単語の意味から推測する事ができますが、長くなればなるほど推測に限界がきます。
実際の対面の会話であれば、
- 言い直してもらう
- 周りの状況
などから、推測もしやすくコミュニケーションに対して支障をそこまで感じないかもしれませんが、それが叶わない電話ではよりシビアに文法知識が響いてきます。
また、文法知識が身につくと英語を予想しながら聞く事ができるようになり、聞き取りに余裕が生まれます。
英語というのは、後ろから説明を付け足していく言語です。
先ほどの
This is the wine that I thought you said all the French people you had met in Paris described as ‘The King of Wine’
という英文も
This is the wine =これはワインです。
と始まり、その後ろの英文がどんなワインなのかを説明していきます。
その際に、英語の構文が染み付いていると、英文を意味の塊(ブロック)で捉える事ができるようになるので、リスニングの理解力がグンと向上するのです。
意味の塊という部分に関しては、下記記事で解説しています。
留学でリスニング力が伸びない原因2:受け身
私は留学中にリスニング力をあげるために大切な事は積極性だと感じます。
これは別に、人と積極的にコミュニケーションを取るという事ではなく、自分で考え試行錯誤しながら英語を聞いて学習していくというものです。
リスニングはスピーキングと違って英語さえ流せば嫌でも耳に入ってきます。
ただ、これが盲点でもあると私は考えていて、受け身でも英語が入って来るからこそしっかりと耳を傾けて積極的に
- 聞き取れる音
- 理解できる英文
の幅を広げていく必要があります。
『ここはなぜ聞き取れないんだろう〜』
とか、セリフを確認しながら
『この部分はこういった発音なのかぁ〜』
という感じです。
たとえ学校に通っていたとしても、教えてもらってあたりまえという姿勢や、英語を聞いていればある日突然聞こえる様になるというスタンスでは難しくなります。
私の経験上、ある日いきなり英語が聞き取れる様になったという記憶はありません。
どちらかというと、聞き取れない音が会った時は『なぜ聞き取れなかったのか』というを分析して、何回も聞いていました。
この時に大切なのは、回数にこだわるのであなく、基本的にその音が自分に染み付くまで繰り返して聞いていました。
そんな風にして少しづつ自分の理解できる範囲を広げていったという記憶があります。
そうした小さな積み重ねを続けたあと、振り返って以前聞き取れなかった洋楽や音声を聞いた時に
『あっ聞き取れる様になっている』
という状況でした。
ちょっと心構え的な部分の説明になってしまいましたので、次に具体的な勉強方法を紹介します。
留学でリスニングを伸ばす3つのステップ
留学という英語環境をしっかりとリスニング力アップに繋げる為の3つのステップを紹介します。
学習の順番としては
- 文法をまずは身につける
- アウトプットを前提とした学習
- 精聴を意識したリスニング学習
- ディクテーション
- シャドーイング
- 多聴を意識したリスニング学習
- 聞き流し
- シャドーイング
の流れで進めていきます。
留学でリスニングを伸ばすステップ1:文法を身につける
リスニングもそうですが、総合的な英語力を留学中に伸ばしている人は必ず文法をしっかりとおさえています。
文法がわかれば英語を読んで理解できる幅が増えます。
それはつまり、リスニングで聞いた英文を理解できる幅を増やすことに繋がるので、伸び悩みの要因を取り除くことにつながります。
そして文法を学ぶ時から、音声を使ってリスニングの学習も同時進行します。
英文を読むだけで行ってしまうと、自分の日本語の音で認識してしまうため、実際に英語の音声を聞いた際に本来の音と認識のずれが生じてしまいます。
ただ、この時に意識して欲しいのが『アウトプット』も意識した学習です。
文法問題は『穴埋め』などがありますが、それをこなすだけではなく、自分の伝えたい事を英文で組み立てられるようになる、つまり
- 書く
- 話す
という事も行います。
学んだ文法知識を使って考えながら自分の言葉で英文を組み立てる。
そしてそれを口に出して読み上げる
実際、この様にして自分の口に出して練習する事で、文法の『型』がより染み着きやすくなると実感します。
私の場合、『免許の翻訳が必要』という事を伝えたかった時
『have +目的語+過去分詞』の構文で『〜してもらう』
を使って
I need to have my license translated
と英文を作り、口に出して練習。
そして同じことを、学校の友人と話す時にも使う。
シェアメイトとの会話にも使う。
と繰り返していくと、その『型』が染み付いてきました。
ただ、自分でアウトプットするとなると、その構文や英文が正しいのかチェックしてもらわないと、間違って染み付いてしまう可能性もあるので、注意が必要です。
下記記事で紹介している通信講座では、先生に直接質問したりすることができますので、参考にされてみてください。
留学でリスニングを伸ばすステップ2:精聴を意識した学習
次の段階では『精聴』を意識してリスニング学習を行います。
精聴の目的は『聞き取れる音』の幅を広げること。
つまり、英語の
- 音(母音・子音)
- つながり(リンキング)
- 省略
- 強弱
といった部分を自分の中に少しづつインストールする作業になります。
英語の音と日本語の音は別物とはいえ、ある程度はカタカナ音として対応できますが、それ以降は上の4つが頭にインストールされていることが聞き取りで大切になります。
Can I というフレーズも『キャン アイ』というよりも『ケナイ』という音の方が近いです。
英単語を個別に覚えていると、こうした音のつながりというのが中々身につかないので、実際に音を聞いた時に聞き取れないということが起こります。
なので、この学習では『スクリプト』(セリフ)は必須です。
そして、何回も聞き返す事が重要ですから
- 生放送のラジオ
- 英語のニュース
などは、次から次へと進んでしまうので、あまりおすすめな教材とは言えません。
この段階でオススメなのが1日あたり40円未満で学習できる『スタディサプリ』というスマホアプリの学習教材です。
留学でリスニングを伸ばすステップ3:多聴を意識した学習
精聴で英語の音をインストールを優先しつつも、徐々に『多聴』も意識的に取り入れていきます。
というのも、精聴に偏った学習方法ばかりを続けていると、リスニング中に聞き取れない音が出てきた時に焦ってしまうのです。
私自身、精聴に偏った学習方法を続けていた結果初めて受けたTOEFLのテストの時、
『一語一句聞き逃すまい!』
と耳に全神経を集中させる様にしてましたが、現実問題それは無理でして、聞き取れない単語、わからない単語が出てきた時に『やばい!』となってしまい、ドンドン流れてくる音声が頭に入ってきませんでした。
こうした状況を解決する方法は、聞いた英文の全体像をガバッと把握するスキルです。
聞き取れた英文から大まかな意味を推測するスキルで、これが身につくとリスニングにかなりの心理的余裕が生まれます。
英語学習者の多くがリスニングの勉強において、この
- 精聴
- 多聴
のどちらかに偏って行ってしまっている事が多いと感じます。
精聴ばかり行うとわからない単語が出てきた時にパニックになる。
多聴ばかり行うと「なんとなーくわかるけど、詳細はわかなない」
という問題が生じてしまいます。
精聴も多聴も総合的なリスニング力あげるために大切な両輪です。
精聴の具体的な学習方法はこちら
→たくさん聞くけど上達しないリスニング力を伸ばす 2つの学習法
多聴の具体的な学習方法はこちら
→TOEICなどリスニング長文の英語が聞き取れない理由と理解するコツ
ぜひ、参考にしてみてください。