社会人になってから英語の習得を目指した時、どのような順序で進めていけば良いのか?
そんな風に悩んでいる方に向けて、対策ゼロでTOEIC965点を取得した私がお勧めする方法をお伝えします。
私自身、英語を身につけたのは留学時代の時です。
その時は、様々な学習方法を試しました
- テレビの前でひたすらシャドーイング
- 電話する前に言いたいことを紙に書き出して読み上げる
- 映画のDVDをひたすらディクテーション
- 一人でブツブツ独り言
- 大学の教科書にあるわからない単語一語一句辞書でチェック
- ラジオを聴きながらの通学
- 早口言葉のアニメを毎週見る
- フレーズ本を暗記して『ここぞ』の場面で発する
- お酒飲んでテンション上げて会話
- 酔っ払った状態で洋楽を聴きながら寝落ち
などなど。。。
で、効果が感じられたやり方もあれば、そうでもないという事もありました。
というか、振り返って見て思うのが、今現在の英語レベルにおいて学習方法を適切に選んで行く事が大切だなと痛感しています。
たとえば、0から英語を学ぶ時としたとき、ラジオやニュース・Youtube動画等の聞き流しは効果的な勉強方法とは言えません。
英語の聞き流しで効果を感じるためには一定の条件をクリアしている必要があるのです。
会社員として働いている以上、英語学習に費やす時間は限られますよね?
そんな中でも、効率よく効果的に英語を習得して行くための順序を紹介します。
仮に私が英語力0になった時、どのようにして英語を勉強し直すか?という問いに対する答えになります。
ここでまず、何をするにおいても一番大切となるのが
『ゴール(目標)設定』
になります。
つまり、自分は英語でどのレベルを目指すのか?
という部分です。
ここをまずは明確にしないと、進むべき道が見えてきません。
この時に注意したいのが、英語のテストでスコア〇〇点という目標よりも、英語を使って具体的にどんな事ができるようになりたいのか?までをイメージできた方がより道筋を立てやすくなります。
『字幕なしで映画を楽しみたい』
→極論スピーキング学習は不要
『会議で自分の意見を英語でしっかりと伝えたい』
→ネイティブ表現よりも、伝わる英語を優先
『海外旅行で不自由しないくらいが良い』
→専用のフレーズ本と旅行用単語の暗記
などなど
ただ、この目標に関しては人それぞれな部分がありますから、ここでは私の例を一つの参考にされてください。
私が、0から英語を学び直すとしたら、そのゴールは
『フレーズの暗記に頼るのではなく、自分で言葉を組み立てて意思疎通ができるようになりたい』
『ネイティブらしい表現も良いけど、まずは伝わる英語を優先する』
『ニュースキャスターの話す英語を70%近くは聞き取れるようになる』
と設定したとします。
ここを目指して私がどう学習を進めて行くのかを解説したいと思います。
社会人が0から英語を習得する第一段階
私が0から英語を習得する際に優先するのが文法です。
『学校で文法を学んだけど話せるようにはならなかった』
と感じる方もいるかもしれませんが、文法を学ぶ時は『習得度』を意識する必要があります。
というのも
- 文法を知識として知っている
- 文法を使って英文を書ける
- 文法にそった英文を話せる
というように、習得レベルが異なります。
学校の英語教育(少なくとも私の時)は穴埋め形式の問題が多く、習得度で言えば知識さえ知っていれば点数が取れる問題が多かったです。
もちろん、英作文もありましたがその割合は少なかったですし、ましてやスピーキングは無かったと記憶しています。
でも、文法というのは、英語スキルの
- リーディング
- リスニング
- ライティング
- スピーキング
の4つ全ての伸び代を決める土台といっても過言ではありません。
私たちの英語力というのは、下記のような図で構成されていると私は考えています。
- 英文法&語彙力>ライティング>スピーキング
- 英文法&語彙力>リーディング>リスニング
例えば、とある英文をさらっと読んだ時にスラスラとそのまま理解できない場合、それと同じ英文を音声で聞いたとしても内容を理解することはできません。
リスニングは聞き取った音を脳内で英文としてそのまま理解できる処理速度が求められるので、リーディングよりも高いスキルが必要なのです。
リスニングは
- 英語の音を聞き取る為のスキル
- 英文を英文のまま理解できる処理速度
の2つが必要になります。
対してリーディングの場合に必要なのは
- 語彙力&文法知識
があれば理解することができます。
もちろん、長文や難解な表現などが出てくれば、辞書を使ったり参考書を読みながら何回読んだとしても、わからない英文も出てくると思います。
こうした英文を読めるようになる為には
- そのトピックについて日本語でまずは理解を深める
- 長文を意味の塊(ブロック)で区切れる様に文法習得度を高める
というアプローチで解決していきます。
文法と辞書を使っても英文が理解できない理由 1:そのトピックにうとい
私自身も何度となく経験していますが、長文や何回な表現の組み合わせを読んだ時、辞書を使っても『意味がわからん・・』となったことが幾度となくあります。
でも、こうした現象って日本語でも経験がありませんか?
自分にとって馴染みのないトピックの話は聞いても読んでもなかなか理解できないことって一度は経験した事があると思うのです。
学校の教科書のわからない部分を何回読んでも理解できないあの感覚です。。
でも、先生や頭のいい友人が優しく噛み砕いて教えてくれたら理解できて、後になって読み返した時には理解できる様になっていた事ってありませんか?
他の例をあげるなら、不動産投資の事を何もわからないド素人の人と、ある程度学んで知識がある人では同じ内容を読んだり聞いたりした際の理解度に雲泥の差がでると思います。
これは、文字として拾えても理解できないという点で英語の場合と共通する部分ではないでしょうか?
私も留学中、教科書を読んでいてい意味が理解できない英文はたくさんありました。
そうした時は、そこに固執せずにチャプターの全体像を大まかに理解していたのですが、数ヶ月後のテスト前に復習した際、意味が理解できる様になっていた記憶があります。
これは、そのトピックに関してある程度の知識が蓄えられていたので、文の意味が理解しやすくなった結果だと感じます。
文法と辞書を使っても英文が理解できない理由2:イディオム的に理解した方が早い
例えばですが、こちらの表現
How could you do that to me
- How :どうやって
- Could :できた
- you:あなた
という意味ですが、直訳すると
あなたはどうやってそれを私にすることができたの?
となってしまいます。
答えからお伝えすると、この “How could you~ “という表現は「よくもそんなことが〜」という意味になります。
つまり、先ほどの英文は『よくもそんなことが私に対してできるわね』という意味になるのです。
この2番目の理由に関しては、前後関係がわかる英文の中で触れてる必要があります。
つまり、ダイアログなどストーリー性のある英語教材などがこうした場合役にたちます。
文法と辞書を使っても英文が理解できない理由3:英文をブロックで捉えられていない
いきなりですが、次の英文を意味の塊で区切ってみてください。
This is the wine that I thought you said all the French people you had met in Paris described as ‘The King of Wine’
こちらの英文に使われている単語はそれほど難解な単語ではないかと思いますが、構文が複雑なものなっている為、意味の塊で区切る事ができないと理解するのが難しくなります。
意味の塊(ブロック)で捉えられる様になるためには、構文の『型』を自分に染み付かせる必要があります。
これを達成する1番の方法は、
- 意味の理解している
- きちんと聞き取れている
英語に音で触れる事です。
文字だけでは英語のリズムというのが把握できません。
意味がわかり、単語も聞き取れるレベルの英語を何回も聞くのです。
繰り返し何回も聞く事で、その英文は英語のまま意味が理解できる様になりますし、区切る場所なども染み付いてきます。
上記英文の解説は下記記事で解説していますので、参考にされてみてください。
なので、私の場合は音声付きの文法教材を購入し、その教材を使い潰すつもりで何回も聴きながら英文法を身につけ、それと同時にその教材で使われている単語を全て覚える様に努力します。
他の単語集やリスニング教材を買うのはその後です。
まずは1つの文法教材を使い潰すつもりで使い込みましょう!
(おすすめの文法教材は先ほどの記事で紹介しています)
また、この段階から学んだ事を実際に使う『アウトプット』を必ず行う様にします。
つまり、学んだ英文を使って
- 英文を組み立てる
- 組み立てた英文を口に出す
- 書き出さずに口に出す練習もする
と行った事を行います。
ちなみに、英文はただ書くだけでなく添削を受ける事で成長スピードが格段に早くなります。
そして、添削を受ける場合はネイティブよりも日本人講師の方が個人的におすすめです。
その理由はこちらの記事で紹介しています。
社会人が0から英語を習得する第二段階
1段階目で使用した文法教材を使い潰したら、次はリスニングを重点的に攻めていきます。
先ほどの図でリスニングを支えるのはリーディング力と説明しましたが、リスニング教材を使ってリーディングも同時に進めていきます。
私個人的に
- リスニング用教材
- リーディング用教材
を分けて購入する必要はないと考えていて、むしろ、ここは別々に行うよりも同時進行させた方が効率よく行えるとみています。
私自身、ここを押さええずにリーディングとリスニングを切り離して行なっていた結果、二度手間を食う羽目になりました。
なぜなら、リーディングのみで進めた場合、自分の中にある『音』で読み進めていくため、実際の英語の音を知らなくても読めてしまいます。
つまり、『読める』と『聞ける』の差がどんどん開いていってしまうのです。
例えばですが、この単語 “Annihilate”という単語、どのように読むと思いますか?
きっとよほどの捻くれ者でない限り『アニヒレイト』と読みたくなるのではないでしょうか?
ところが、この単語は実際のところ『アナイエレイト』に近い読み方をします。
この様にリーディングとリスニングを別々にして進めてしまうと、自分が『こう読む』と思っている音と実際の音が違う単語が増えてしまい、それが原因で『聞き取れない』という単語が増えてしまいます。
また、日本語と同様に英語も音のつながりや省略が頻繁に行われます。
- たいいくかん→たいっかん
- せんたくき→せんたっき
- このあいだ→こないだ
こうした音の変化はできるだけ早い段階で慣れておく方が良いです。
そのためには自分のレベルにあったリスニング教材を使い、少しづつ
- 英語のまま理解できる英文を増やす
- 語彙力を広げていく
- 聞き取れる英語を増やしていく
というアプローチをとります。
自分のレベルにあった教材というのは、背伸びをし過ぎないのが大切です。
つまり、初心者用、中級者用の教材をすっ飛ばしていきなり、ネイティブ向けのYoutube動画や英語ニュースを教材に使わない事です。
自分にとって、レベルの高すぎる英文を理解するためには辞書などを使って日本語に翻訳して理解する必要があります。
その勉強方法自体は間違いではないのですが、それを行い続けても英語を英語のまま理解できるようにはなりません。
なぜなら、その英文を理解している言語は英語ではなく日本語だから。
英文を理解するときに、日本語に直すのを前提としているうちは、英語を英語のまま理解できるようにはならないのです。
英語を聞いた時、そのまま理解できる様になるためには、日本語に直す必要のないレベルの英語を読む&聞くを繰り返していく事。
つまり、一度英語を日本語に直し、意味を理解したらその英文をや会話の流れを何回も聞くのです。
もうすでに会話の流れや英文の意味がわかった状態で英語を聞くので日本語に逐一直して考える必要がありません。
こうして何度も聞く事で『英語のまま理解できる英語』というのを増やしていきます。
また、それと同時に音で聞いているので、英語のリズムや区切る場所なども徐々に感覚が染み付いてきます。
『自分のレベルにあった教材』の判断基準に関しては、下記記事を参考にされてみてください。
この段階でも、第一段階と同様に『アウトプット』は必ず行います。
- 新しく学んだ単語
- 新しく学んだフレーズ
- 自分がよく使いそうだなと感じたフレーズ
などを実際に口に出して下が回る様に練習します。
ちなみに、文法を習得したこの段階からお勧めできるのでが”Study サプリ”という英語学習用のスマホアプリです。
社会人が0から英語を習得する第三段階
第三段階ではオンライン英会話を取り入れていきます。
私が最初ではなくこの段階でオンライン英会話を使う理由は、スピーキング練習は比較的自分1人でも十分効果のある練習ができると感じているからです。
- シャドーイング
- ディクテーション
- 独り言
は、1人でできるスピーキングの練習にもなります。
特にシャドーイングやディクテーションは、前段階で購入したリスニング教材を使って行う事ができます。
たとえリスニング用の教材として買ったとしても、その教材の内容を自分でアウトプットして発信できる様になるまで使い潰すことでスピーキング用の教材としても活用する事ができます。
ただ、どんなに自分1人で練習しても、実際の会話をこなせる様になるには、実際に会話の練習をするしかありません。
スポーツで例えるなら、自主練と練習試合みたいな感じです。
自主練(テニス)の時は
- 素振り(フォームの確認)
- 体力作り
- 筋トレ
- サーブの練習
- 反復練習
のように各スキルを別々に行う事が自主トレがありますよね?
そうして蓄積してきたスキルを実際の練習試合などで総合的にうまく使える様に持っていき、テニス選手としての腕を磨くのではないでしょうか?
逆に練習試合だけして上手になるの人というのはいないと思うのです。
これは英会話にも同じ事が当てはまると私は考えています。
つまり、基礎となる部分の練習をせずに英会話という練習試合だけをおこなっても『英語を話す度胸』はついたとしても肝心なスキルは底上げされないという事です。
オンライン英会話のメリットをしっかりと活用するためには、この段階で利用することが一番だと私は考えます。
おそらく、初めの頃は英語がほとんど口から出てこないと思います。
でも、それは誰もが通る道ですので、諦めずに『とにかく英語を口から出す』という意識でつづけてみてください。
英語を口から出す練習に瞬間英作文がありますが、これは読んだ英語を瞬時に英語にして口に出す練習です。
これは確かに効果があるのですが、自分1人で本を見ながら行なったとしても、『早く言わなきゃ』という焦りは、実際に人が待っている時よりは小さいです。
オンライン英会話などで、実際に『待っている相手がいる』という状況の方が自分に圧をかけやすいと私は感じますし、そこに対してお金を払う価値があるかな思います。
独学で英語習得なら3週間は毎日英語に触れる環境を整える
まずは何を勉強するか?という部分よりも向こう3週間毎日何かしら英語に触れる環境を構築します。
というのも、英語の習得には継続が絶対条件ですが、人が何かを習慣化するのに必要なのは21日(3週間)と言われているからです。
なので、この記事でこれから紹介して行く方法を実践する為の時間の確保、環境の確保を作り出します。
ただ、いきなり『1日に○時間』みたいな目標は必要ないと私個人的に感じます。
時間数や書いた回数に目を向けない
とにかく空いた隙間時間に極力英語に触れるようにする。
まずは、ここを意識すると良いです。
よく
『1日に何時間勉強すれば話せるようになりますか?』
『何時間聞けば聞き取れるようになりますか?』
といった疑問を聞くのですが、私個人的にこうした考えを持っている限り、英語の習得は難しいと感じます。
もちろん、仕事やプライベートなどもあるので、時間が限られているのはわかるのですが、この心構えで勉強すると○時間勉強することが目的になってしまいやすくなります。
そもそも勉強する目的が、英語を使えるようになることなのに、「○時間勉強したから今日はここまで!」という風になってしまいます。
英語学習は基本的に反復練習です。
つまり、どれくらい勉強すれば良いですか?に対する答えは
『できるようなるまで』
なんです。
そして、1日や2日でできなくても、時間の経過と共に徐々に聞き取れるようになってきたり、口が回るようになってきます。
留学当初に聞き取れなかった洋楽も、気がつけば聞き取れるようになっていたりと、英語って『今』だけに目を向けると成長を実感しにくいですが、振り返った時に着実に伸びているなと感じるジャンルだと思います。
机に向かって勉強となると、できる時間は限られていますが、英語を『聴く』『口に出す』という場合であれば隙間時間や何かしながらでも行うことができます。
- 通勤時間
- 掃除
- 洗濯物を干す&たたむ
- 料理の準備
などなど、他のことをしているけど耳が空いている状態であれば英語に触れることができます。
小さなことを積み重ねていくことで、振り返ったときに語彙力やリスニング力アップ、英語を口に出すといった事がレベルアップしていきます。
なので、英語を学ぶのであれば私はワイヤレスのブルートゥースイヤホンを活用すべきだと考えています。
スマホやパソコンに入っている音声を無線で繋ぐので、英語を聴きながら掃除機をかけたり洗濯したりできる様になります。
ぜひ、参考にしてみてください。