多聴のやり方にはポイントがあるのをご存知ですか?
リスニング力を向上させる為には、英語をたくさん聴く事は大切ですが、ただ聞き流したとしても
「聞き取れない」
「肝心なところが理解できない」
「なんとなーくしかわからない」
といった状態から脱出することは難しいものになります。
というのも、リスニングは次の3つの能力の掛け合わせから成り立っているからです。
- 聞いた音(単語&英文)を識別できる能力
- 聞いた音(単語&英文)の意味を理解できる能力
- 意味を理解した単語&英文から大まかな流れを掴む能力
多聴で鍛える事ができるのは、3番目「意味を理解した単語&英文から大まかな流れを掴む能力」。
各能力を高める為には、それぞれ違った学習アプローチが必要。
もしあなたが、「わからない単語が出てくるとパニックになる」といった類の悩みを抱えているのであれば、多聴は最適な学習アプローチ。
なぜなら、大まかな流れを掴む能力があれば、わからない単語が出てきても焦る必要がなくなるから。
※この感覚は、実際に習得してみないとわかりにくいのですが・・・
しかし、単語そのものが聞き取れない場合は「精聴」という別の学習アプローチで1番目の能力を上げる必要があります
→たくさん聞くけど上達しないリスニング力を伸ばす2つの学習法
次に、単語そのものは聞き取れるけど、意味がわからない場合は、2番目の能力、つまり「文法・読解力」を上げる必要があります
→単語は聞き取れるけど 意味がわからない。その原因とは?
読解力とリスニング力の関係
This is the wine that I thought you said all the French people you had met in Paris described as ‘The King of Wine’
使われている単語そのものは優しくても、文の構成が理解できなければ、
「なんとーなくならわかる」
「たぶんこういう意味だろう」
といういつまでたっても推測で理解する状態から抜け出せなくなります。
上記英文の解説はこちらの記事を参考にしてみてください。
→リスニング&スピーキングの上達には文法が必要な理由
精聴と文法2つの学習方法に比べて、厄介なのが今回の学習アプローチ。
この記事では、そこら辺を詳しく解説して、解決方法を紹介したいと思います
多聴 (英語シャワー) のゴールは実感しにくい
重要なので、上記のリスニング力を構成する3つの要素を再度お伝えします
- 聞いた音(単語&英文)を識別できる能力
- 聞いた音(単語&英文)の意味を理解できる能力
- 意味を理解した単語&英文から大まかな流れを掴む能力
1番目の能力を鍛える「精聴」のゴールは明確です
→ゴール=聞こえた音を拾えて認識できるようになる事
だから「リンキング」や「発音」をしっかりと頭に入れることさえできれば、音を拾えるようになるので目的は達成されます
2番目の能力を鍛える「文法」は用法に際限があるので、こちらのゴールも明確です
→ゴール=文法を理解する
そして3番目の「大まかな流れを掴む能力」って厄介です。
なぜなら、「大まかな流れ」ということ自体が曖昧だから、ゴールも曖昧になります。
全体の意味を掴むというなんとも曖昧な事がゴールなんです。。
多聴の目的・意図を詳しく
多聴のトレーニングよる学習効果をおさらいしします。
多聴の目的は「話の大まかな流れを掴む事」であって、「一語一句聞き取る事」ではないです。
その為、多聴に偏った勉強した場合、「なんとなーくわかるけど、詳細までは掴めない」という英語力の頭打ちになることは、こちらの記事で紹介いたしました。
→TOEICなどリスニング長文の英語が聞き取れない理由と理解するコツ
そして、上記記事で具体的な多聴のやり方について紹介しましたが、頭で理解しても実際にやろうとすると難しいはずです。
というのも、これまで精聴に偏ったトレーニングをしてきた方は、その癖がなかなか抜けないからです。
「聞こえた英語を理解する」とはつまり
状況や場面の全体像がイメージとして頭に思い描ける
とうこと。
精聴に慣れた方は、英語を断片的にしか捉えることができない状態です。
なので、話の1部はわかるけど、あとはわからないという状態。
イメージ的にはあのアタック25の最後の動画問題。
画面の一部しか見えない状態で、動画の中身を掴む感じ。
つまり、自分の頭の中にある知識をフル回転させて、隠れている部分を推測する為、頑張って見えている(聞こえている)部分と繋ぎ合わせようとする方に頭が働いてしまいます。
対して、多聴のトレーニングのイメージは、初めから全体の大まかな流れを掴むこと。
イメージ的には、全体的にモザイクがかかっている状態で、回数を重ねるごとに、モザイクが晴れていく感覚に近いです。
多聴に使える学習教材
リスニングにおすすめの教材はアルクが提供する「ヒアリングマラソン」のシリーズなのですが、大切な事を2つお伝えします
教材を選ぶときは次の2つを意識してみてください。
- 自分のレベルよりちょっと高いor同等のコースを選ぶ事
- 学習方法の意図を認識する事
「量」に焦点を置く場合、『ちょっと』難しいレベルで行う
教材費を無駄にしない為に自分のレベルより圧倒的に難しい教材に行きたくなりますが、逆に挫折しやすいのであまりおすすめしません。
いきなりネイティブ向けの洋書で勉強したり、映画や海外ドラマでリスニング力を鍛えるぞ~的な勢いで勉強をスタートすると、
- わからない単語
- わからない文法
- 早すぎる音声
- 解説自体が理解できない
となり、大変に感じてしまい多くの場合挫折してしまいます。
自分が『ちょっと難しいけど、頑張れば理解できそう』と思える英語に触れることで次のようなメリットがあります。
- アップアップにならずに少しづつステップアップできる
- 成長を実感しやすい
- わかる部分とわからない部分を明確にしやすい
- 自分の弱点を炙りだしやすい
- 大変すぎないので嫌にならない
- いい意味でチャレンジ精神を刺激される
などがあげられます。
教材を無駄にしない為に大切なこと
「学習方法の意図・ゴール」を理解することはとても大切です。
つまり
- 「なぜ、このやり方なのか?」
- 「どのスキルをあげたいのか?」
私がここでオススメしている「ヒアリングマラソン」シリーズは、多聴・精聴の両方を考慮されて作られた教材です。
ぜひ、ご自身の英語レベルと照らし合わせて比較してみてください。
アルクが提供するこのシリーズは、複数のコースがあるのすが、ここでは3つのレベルに合わせて紹介します
- 初級:ヒアリングマラソン・ベーシックkikuzo!<キクゾー!>
- 中級:ヒアリングマラソン中級コース
- 上級:1000時間ヒアリングマラソン
初級:ヒアリングマラソン・ベーシックkikuzo!<キクゾー!>
1日30分という学習量の負担を極力減らすことで、「習慣化」しやすい狙いもあります
アルク公式サイトでは目安の英語力をTOEIC250~450点・英検4級以下からとしています
試聴もできますので、ご自身の英語力と照らし合わせてみてください
→ヒアリングマラソン・ベーシックkikuzo!<キクゾー!>
関連記事→効果なし?アルク ヒアリングマラソン Kikuzo!<キクゾー>の口コミを考察
中級:ヒアリングマラソン中級コース
まさに初級と上級の間なのですが、音声は長いですが、ややゆっくり目に話してくれてると感じます
しかし話し手の発音は、「生の英語」なのでイントネーションやリンキングを含め、上級者レベルへステップアップする前の教材として最適です
目安レベルは英検3級~、TOEIC450~とありますが、実際はもっと高いです
TOEIC750点、英検は2級以上あった方が、挫折せずに継続できると思います
上級:1000時間ヒアリングマラソン
TOEICで高得点取れるけど、海外ドラマや映画となるとからっきしという方におすすめです
本物のネイティブ達が話す英語は、TOEICでリスニングが満点とれるレベルよりもはるか上にあります・・・
文法もやったし、英語脳も習得した、教材の英語ならわかるけど、映画やドラマの英語がわからない・・・
もしあなたがそんな悩みを抱えている場合におすすめな教材です。
だからこそ、このコースはTOEICは900点以上、英検は準1級はある方出ないと、これまた挫折しやすいとも感じます。
よかったらこちらの記事2つも参考にしてみてください