前回書いたJames Bluntの”You’re Beautiful”を使った勉強記事(初級レベル)の続きです。
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歌詞はこちらから確認できます
今回は歌詞の中にある中級レベルの英文を解説して行きます。
wh語+to不定詞
wh語とは以下の6つの単語をさします
- “what“(なに)
- “when“(いつ)
- “where“(どこ)
- “which“(どっち)
- “why“(なぜ)
- “who“(だれ)
- “how“(どうやって)
この後ろに、to不定詞をつけて、前のwh後を説明します。
これだけだと「何のこっちゃ」ってなるので、歌詞の中の文を例を使って説明します。
- And I don’t know what to do, ‘Cause I’ll never be with you.
“what”(何)が目的語になって、うしろの”to do“で“what“を説明してます。
「何をする」という意味です。
“I don’ know”(わからない)+”what to do”(なにをする)
→「何をしたら良いかわからない」と解釈できますね。
では応用して例文を少しつくってみます。
★例文1:何を着たら良いかわかんない。
- 「着る」 = “wear” です。
→ “I don’ know what to wear“
★例文2:誰に聞いたら良いかわかんない
- 「聞く・尋ねる」 = “ask” です。
→”I don’t know who to ask“
★例文3:いつ始めたら良いかわかんない
- 「始める」= “start” です。
→”I don’t know when to start“
イメージが掴めたでしょうか?
助動詞の”Will”
次の’Cause I’ll never be with you 説明します。
‘Cause は”Because”「だって」の省略形です。
I’ll never be with youを分解してみましょう。
I will never be with you.
「名詞+助動詞+副詞+動詞(原形)+前置詞+名詞」です
歌詞の中にある”She was with another man“の構図に助動詞と副詞が追加された形です。
- Will:未来を表す助動詞「〜するだろう」
- Never:否定を表す副詞「決して〜」
助動詞のあとに来る動詞は原形です。
だからBe動詞は原形の”be”が使われています。
この”will”という助動詞は、「〜だろう」という予測の意味を持たせたい時に使われます。
(他にもありますが、詳細は下記動画にて)
では、この”will“があるとないとでは、どのように意味が変わるのでしょうか?
- I am with you
(僕はあなたと一緒にいる) - I will be with you
(僕は今後あなたと一緒にいるよ)
“will”があることで、これから先の「未来を予測」した表現になります。
そこにさらに否定の副詞”never“が加わるとどうなるのでしょう?
- I will never be with you
(僕は今後あなたと一緒にいることは決して無いだろう)
という意味になり、歌詞全体として下の意味になります。
- And I don’t know what to do, ‘Cause I’ll never be with you.
「何したらいいかわかんないよ、だってあなたと一緒になる事なんて一生ないんだから」
助動詞の否定形
次は”lose sleep on 〜”というフレーズを見てみましょう
- “lose”は「失う」
- “Sleep”は「睡眠」
“lose sleep on 〜”(〜で寝付けない)といったニュアンスのフレーズです。
- But I won’t lose no sleep on that, ‘Cause I’ve got a plan.
助動詞の否定(won’t = will not)があるので、動詞は原形です。
そして”that”は”She was with another man”を指してます。
「彼女が他の男性といた事」で寝付けないなんて事はない。
” ‘Cause I’ve got a plan “(だって良い考えがあるから)
二重否定
ここできっと、思うはずです。
[voice icon=”http://business-eigo-global.com/wp-content/uploads/2017/01/charactor.you01.jpg” name=”あなた” type=”r icon_yellow”]
“won’t”で否定して、”no sleep” でさらに否定しているってどういうこと?[/voice]
これは2重否定(double negative)と言って、ネイティブの間でも時々間違って使われる表現です。
二重否定そのものは、文法的に間違いではないのですが、使い方を間違える人たちもいるのです。
二重否定にすると、文章は肯定されるのですが、否定の意味のまま使っちゃう人がいるのです。
ちょっとインターネットから例を出してみます。
whenever I hear something like:
I don’t know nothing about computers.
OR
It won’t do you no good.
I cringe and have to restrain a nitpicking urge to say, ‘two negatives make a positive: do you really mean that you know something about computers?’
参照元:OxfordWords blog
ざっくり訳すと
「”I don’t know nothing about compters”(パソコンについてはよくわからないよ)といった事を聞くたびに、あら探しに似た感情がこみ上げてきて、こう言ってやりたい衝動にかられちゃう『二重否定は肯定になるけど、つまりあんたパソコンについて多少は知識があるのかい』ってね」
つまりネイティブの間でも、人によっては間違って使ってしまう表現なのです。
前回の記事で書いた、洋楽を勉強教材に使う際の注意点にあてはまりますね。
WH修飾
ここでは、先程でてきた「wh語」を使って、前にある単語を修飾(説明)する方法を紹介します。
歌詞の中では以下の分がそれにあたりますね。
- But we shared a moment that will last ‘til the end.
いきなり”wh語”じゃなく”that”を使った例になっています。
実は”moment”の場合”which”を使っても良いのですが、”that”も上記の「wh語」と同じように修飾する事ができるのです。
この文は”that”以降が”a moment”(瞬間)を説明している事になります。
[voice icon=”http://business-eigo-global.com/wp-content/uploads/2017/01/Profile01.png” name=”シゲル” type=”l icon_blue”]”We shared a moment”
(僕たちは一瞬を共有したんだ)[/voice]
[voice icon=”http://business-eigo-global.com/wp-content/uploads/2017/01/charactor.you01.jpg” name=”あなた” type=”r icon_yellow”]で?どんな一瞬なの?[/voice]
の説明として”that”以降の文が使われるのです。
“that will last ‘til the end”(最後まで続く)
“last”には動詞として「続く」という意味もあります。
なので上の例文全体の意味は「僕たちは最後(死ぬまで)続く一瞬を共有したんだ」となります。
もうね。。
ストーカーレベルの歌詞ですよ。これ。。。
地下鉄で一回見かけただけで、ここまでの文章はストーカー認定ですよ。。
There 文
「There+Be動詞」は学校で「〜がいる、ある」とならう構文ですね。
歌詞の中では、助動詞”must”(〜にちがいない)と組み合わされて使われています。
- There must be an angel with a smile on her face,
「天使がいるに違いない」と言ったあと、”with”以降でどんな天使か説明しています。
“a smile on her face”は「顔にスマイルがある」= 「笑顔」という意味になり、日本語ネイティブの我々からしたら独特の表現ですよね。でもこの表現は普通につかわれます。
- hey what’s up, you have a big smile on your face
(めっちゃ笑顔だけどなんかあったの?) - Look at that boy there, he has a big smile on his face
(あそこにいる坊や見てみ、めっちゃ笑顔じゃん)
といった感じで使われます。
話がそれましたが、上記歌詞の例文の意味は、「笑顔を携えた天使がそこにいるにちがいない(この『天使』は例の一目惚れした彼女のことを指してます)」
ちなみに「〜がある・いる」には2通りの言い方があります。
例文の様に”there”から始まる文章と名詞+Be動詞の文章です。
- Shigeru is in the park
(シゲルは公園にいます) - There is Shigeru in the park
ですが、この2つの場合、後者の文は不自然なので、前者を使うべきなのです。
通常”there is/are”で始まる文章は、「登場する物や人」を初めて紹介する時に使うのです
- 昔々、あるところにおじいさんと〜
→Once upon a time, there is an old man ~
名詞句の説明
「to不定詞」で前の名詞を説明する表現です。
歌詞の中では以下の分ですね。
- But it’s time to face the truth,
これがもし”it’s time” (時間だよ)だけなら、きっと「なんの」?って聞きたくなりますよね?
それを説明する為のto不定詞なのです。
“face”= 「向き合う」
という事で、上記の文の意味は「真実と向き合う時間だよ」となるのです。
この歌は”but it’s time to face the truth, I’ll never be with you”(でも現実と向き合わなきゃ、君と一緒になる事はないだろぅ。。)と締めくくられています。妄想が暴走しなくてすみました。
以上で2記事に渡ってJame Bluntさんの歌を文法的側面から解説してみました。
音楽を使ってリズムを覚えて、文法から理解することに少しでも役にたったらこれ幸いです。