発音矯正 の練習は英語の世界をより『クリア』なものにしてくれます
発音記号を取り入れた学習を始めたことで、これまで見えていた英語の世界がより鮮明になって聞こえるようになりました。
→英語の発音が通じない?発音記号で矯正した後に見えた英語の新しい世界
では、発音をよくするためには具体的にどんな学習アプローチが必要なのでしょうか?
ここで大切になってくるのが『インプット』と『アウトプット』の考え方です
- インプット
→文法・単語・読解 - アウトプット
→ライティング・スピーキング
→【なぜできない?】英語が書けて話せるようになる には必須の学習法
これを『発音』という項目で具体的に当てはめてみると
- インプット
→音を正しく認識すること - アウトプット
→音を正しく発音できること
となります
私個人の意見ですが、英語初心者の方には必要以上に発音にこだわらなくても良いと思っています
後述しますが、最低でも英検準1級かTOEICで850点くらい取れるレベルの単語と文法、そしてリスニング力がある方向けだと思っています
今回の記事では、ここを踏まえた上で、実際に私がどのように発音矯正の学習を独学で行なっているのか実践動画付きで紹介したいと思います
インプット>アウトプット
この概念は非常に大切です
自分が英語の『音』を発することができるようになるためには、その『音』をキチンと識別できる必要があります
これは知り合いのオージーが言っていたのですが、日本語の
- きてる(coming)
- きいてる (listening)
- きってる(cutting)
がうまく聞き分けられないそうです
我々からすれば、明確に違いを聞き分けられるし、だからこそ言葉として発する時に使い分けが可能になります
これを英語に当てはめて考えてみると
- That’s so long
- That’s so wrong
といったことを聞き分けられる必要があります
正しく聞き分けられるための条件
これは、大量に英語の『音』を聞いてインプットする必要があります
そして聞き流しではなく言葉の意味を『理解した状態』で聞く、または最低でも『どの音を言っているのか意識した状態で』聞くことが大切です
それができるためには、読解力が必要ですし、それを支えるためには文法と単語の知識が必要ですが、『じゃあどの段階で発音記号まで意識し始めた方がいいの』?って思うかもしれませんよね?
どの段階で発音矯正 する?
正直私は、初心者であればカタカナ英語で問題ないと思っています
むしろ初心者は発音はそこまで気にしなくて良いと感じています
最初の頃は、単語や文法を覚えたりと大変なことが多いです
それに発音記号まで加えたのであれば、アップアップになってしまい、それぞれの分野が中途半端になってしまうか、英語学習が続けられなくなってしまう恐れもあります
なので、最初のうちは、カタカナ英語で割り切っても良いと思いますし、実際私もそうやって学びました
まずは基礎的な部分を固める方が先決で、そこに発音記号は必ずしも必要ではないと思っています
もちろん最初から発音に気をつけてできたら効率が良いですけど、それでは大変じゃないですか?
札幌の雪まつりの雪像を思い浮かべてみてください
あの精度の高い雪像も最初は大まかな型を作ることから始まります
最初から細い部分をやっていては時間がかかりますし、一向に全体像ができるようにはなりません
英語も同じです
まずはカタカナ音でも良いので、文法や単語といった型をある程度固めた上で、細かい部分を磨いていけば良いと思います
細かい部分・ニュアンスはあと
↑↑これ英語学習に非常に重要です
目安としては英検準1級かTOEIC850点は取れるようになって、単語・文法の知識がある程度しっかりしてからでも遅くはないです
思ったことが口からスラスラ出てくるようにするためのトレーニングである『瞬間英作文』をやり始める時に、発音矯正を取り入れるのが個人的にはおすすめです
と言うのも、私自身が発音記号を無視して自己流の音で瞬間英作文のトレーニングをしてきたために、若干矯正をかけるのに苦労しそうな感じがします
その経験からも、瞬間英作文に取り掛かる段階で発音記号を取り入れるとスムーズだと考えています。
発音矯正の学習方法
では、実際にどのような学習方法がおすすめなのか紹介します
基本的な流れは
- 音の数を知る
- 音声を聞く
- 自分で出せるか確認する
- シャドーイングを録音する
1:音の数を知る
英語の音をしっかりと認識するためには、そもそも英語の音が何個あるのか知る必要があります
ちなみに日本語の音の数は幾つでしょう?
実はたったの46個しかないんです
(『っ・ゅ』などの小さいのはちょっとここでは省略します)
日本語は5つの母音と9個の子音です
では、英語の場合は幾つでしょう??
。。。。。。。。。。。。。
実は480個なんです!
英語には20個の母音と24個の子音があります
母音の数は解釈によって上下しますが、私のいるオーストラリアの場合は20個です
そして、子音は24個
英語の音はこれらの組み合わせからできています
なので、まずはこれらの音を個別に知っておく必要がありますよね?
例えば、我々日本語ネイティブからしたら
『む』の音なんて知らないなぁ
[/word_balloon]ってことはありえないですよね?
日本語で使われる46個の音は全部認識できるはずです
なので、まずは英語の音をそれぞれ知ることが必要です
2:音声を聞く
母音と子音を実際に聞いて、それぞれの音を認識できるようにします
おそらく、ここが結構な時間を必要とするステップです
大切なのは音声教材を限定(訛りを統一)することです
なぜなら同じ英語でも訛りによって母音の発音が違うため、音の混乱を招きかねないからです
例えば、イギリス英語とオーストラリア英語では『éə(eː)』の発音が違います
(綴りの違いについては先日の記事で確認できます)
- Hair
- Chair
- Care
British Enlglish : éə(eː)
Australian Enlglish : éə(eː)
ちなみに日本語でも『英語 母音』とうで検索すれば日本語でわかりやすく説明してくれている動画もありました
ただ、あくまでも、これは私の経験上からくる一個人の意見ですが、上2つの英語で解説されていのが理解できないのであれば発音矯正はちょっと早いんじゃないかなぁとも思います
きっとその状態で発音矯正しても『大変・単調でつまらないもの』に感じてしまうと思うんです
『大変』に感じるのは、
- 知らない単語
- わからない構文
- 英語のまま理解できない
などなど、すでに負荷が高いのにさらに発音にまで意識を向けることが難しいと思うからです
『単調でつまらないもの』に感じるのは、どうしても受け身になってしまうから
自分の頭に入っている単語が圧倒的に少ないと、せっかく学んでいる『音』が「あっじゃあ、あの単語はこの音かな」と言ったように自分から進んで開拓していく学習ができにくいからです
そして独学の場合、即座にチェックしてくれる人がいないので、「これであってるのかな」?という疑問が常につきまといます
あっているかどうかわからないのを練習し続けるのも苦行じゃないでしょうか?
(私のとっては苦行です・・・)
だから、独学で発音矯正をするのであれば最低でも音の違いがわかるレベルまで、耳のレベルを上げておくことが先決だと思います
それをスピードアップさせるのが『ヘッドフォン・イヤフォン』を使って聞くことです
これを使うことで、音の振動を直に骨に伝えやすくなります
その振動が脳の言語を司る分野に伝わり「録音」された状態で頭に残りやすくなります
これは実際にやってみるとわかるのですが、イヤホンを通して聞いた音、特に注意を払いながら聞いた音は頭にそのまま残りやすいです
その頭に残った音声は、自分が発声練習する際に照らし合わせながら練習することができます
そうすれば、音の違いを認識しながら試行錯誤して練習することができます
“How to” を加えて検索
Youtubeで検索するときは”How to American vowel”や”How to British vowel”といった具合で”How to”を加えることで『発声方法』まで踏み込んだ動画を検索することができます
発音だけで検索すると『音だけ』教えてくれる動画がほとんどだと思います
Repeat after me 的なやつ
ɐの音はこれ。この音を使った単語は〜
これでは、認識できるようになるかもしれませんが、自分が言えるようになるのにはちょっと足りないと思うのです
だから、発音矯正の学習では、『どうやってその音を出すのか?』にまで踏み込んだものの方が適切だと思いませんか?
ここまでが、英語の音を自分にインプットする学習です
次からは実際に自分が使う『アウトプット』の学習になります
3:自分で出せるか確認する
『音』を認識できるようになったら、今度は自分で出せるようになることが必要です
『聞けるけど言えない』は、インプットとアウトプットの関係です
自分の頭にある事をアウトプットできるレベルまで習得度をあげる必要があります
英語はカラオケと一緒?
これは私を含む音痴な人が良い例ではないでしょうか?
音楽を聞いた時に、リズムやメロディーの抑揚などはわかるのに、いざ自分が歌ってみようと思うとうまくいかない・・・
もしくは、うまく歌えてると思っているけど、実際はそうでもない・・
あなた自身、またはあなたの周りの人でそんな経験ありませんか?
私は多いにありますし、絶対音感保持者の知人も悩んでいました
多分自分の歌声を録音して聞いたら、超絶に●にたくなるくらい愕然とすると思います 笑
彼からしたら、直に自分が間違っているのがわかってしまうのがある意味かわいそうでした 汗
ここから言えるのは、「わかるけどできない」は様々な分野であると言うこと
こと発声・発音に関して言うと、実際に自分が言えているかどうか、ちゃんと認識してもらえるかどうかの確認が自分では難しいと言えます
そこで私は、スマホの音声認識機能が便利だと思います
スマホの音声認識機能を使う
100%の精度とまでは行きませんがまずは自分がそれぞれの母音と子音を発音できるか確認します
IphoneであればSiri、アンドロイドであればGoogle OKを使えば可能です
どんな風に確認するか実際に行う方法は下に紹介する動画にてまとめてみました
4:シャドーイングを録音する
個々の音が認識できて、発声できるようになってきたら、いよいよシャドーイングで練習する段階です
シャドーイングに使う音声を選ぶ際のポイントはこちらでしたね
- レベルの低いものから始める
→自分が理解できるもの - アクセントを統一する
- スクリプト(セリフ)が確認できる
→内容が理解できる - 初心者は学習者向けの音声
→ニュース等ではなく) - 負担にならない音声のながさ
で、発音矯正に特化するのであればもう一点あれば尚良いです
音声内で同じ単語(母音・子音)を繰り返し使っていること
(下記動画で詳しく説明します)
そして、リスニングの時と同様、同じ音声を何回もきくことです
(リスニング学習方法の記事はこちら)
すると今まで不明確でぼやけていた英語の音がそれぞれ個別に認識しようと意識することができるようになります
例えばですね
私の場合、子音の認識はほぼできるので、母音の認識が課題です
同じ単語を繰り返してくれると、その単語の母音を自然な状態で繰り返すことができます
- She’s run across the road
- She’s jumped across the road
- She’s walked across the road
- She’s moved across the road
と、このような母音の部分に意識を向けることができます
そのため、私はこういった英語学習者向けので、なおかつ単語を繰り返して使ってくれる動画を使いながら発音を矯正方法を考えてみました
ただ、上でも軽く触れましたが、このトレーニング方法の最大の欠点は『自分で音の出し方を試行錯誤する必要がある』と言うことです
- 舌の位置はここかな?
- いや、ちょっと違うかな?
- 口角をあげたほうがいいのかな?
などなど、かなりの労力を費やすことは避けられません
とりあえず私は現時点で上に紹介した方法を試しつつ、オーストラリア英語の発音矯正教材があればぜひ使いたいというのが本音です
というのも、独学(自己流)は費用も安く抑えられますが、ある重大な落とし穴にはまる可能性を含んでいる諸刃の剣です
私はこうしたことに気をつけて発音の練習をしてきました。
オーストラリアの永住権取得に失敗した時の動画を全英語で話していますので、このやり方だとこのくらいはいけるという目安になれば幸いです。
次の記事では、
- 重大な落とし穴
- 教材を使う理由
- 本当に発音矯正は必要か
について私なりの考えを紹介したいと思います