
「願う・望む」という意味を持つ英単語として”wish”と”hope”あります。
その違いや使い分けといえば
- “wish”は可能性が低い・非現実的・事実に反する
- “hope”は可能性が高い・現実的
という感じで大まかな違いなら認識している方が多いと思います
そこでクリスマスの時期になると
[voice icon=”http://business-eigo-global.com/wp-content/uploads/2017/01/charactor.you01.jpg” name=”あなた” type=”r icon_yellow”]何で”wish you a merry Christmas”なの? 可能性が低いってこと?[/voice]
という質問して来る方がちらほらいるので、この記事ではそこの疑問をスッキリさせたいと思います
“Wish”の用法
結論からスパッと入ります
動詞の”wish”には大まかに3つの使い方があります
- give me chocolate の”give”と同じ用法
- think that の”think”と同じ用法
- want to の”want”と同じ用法
それぞれの用法に合わせて意味やニュアンスが異なるのです
皆さんが認識している「可能性が低い・非現実的」な意味になるのは、2番目の用法として使われた場合なのです
そして”wish you a merry Christmas”は1番目の用法が使われている為、2番目の「可能性が低い・非現実的」な意味は適用されていないのです
1:Give me chocolateの用法
Give me chocolate の語順をみてください
「動詞」・「人(目的格)」・「目的語」の順ですね
これは「授与型」と呼ばれる英語の基本文型の一つです
この文型で”wish”を使うと、ただ単に「願い・気持ち」を表す言い回しになります
「可能性」や「現実性」は考慮されません
だから”Wish you a merry Christmas“と「動詞」・「人(目的格)」・「目的語」の順で言うことで、「可能性」や「現実性」を省いた、純粋な願いを表すことになるのです
2:think thatの用法
皆さんが認識している”wish”の「非現実性」のニュアンスは、この用法で使われた場合に適用されます
例えば”I think that he likes pineapples”
「主語+動詞」と「主語+動詞」を”that”でつなぐ文型で「レポート文型」にあたります
この文型で”wish” を使うと「〜だったらいいのになぁ」の「非現実性」・「反事実」や「仮定」のニュアンスを含むようになるのです
例えば
- “I wish (that) you were here”
(あなたが、ここに居たらいいのに。。) - “I wish (that) I had a dog”
(犬飼えたらいいのになぁ。。)
のように「事実に反すること」や「現実性の低いこと」に対しての願いを表すことになります
その際に、願いを込める対象の文は「過去形」で表現されます
過去形に込められた意図はおすすめの文法書でわかりやすく解説されています
3:want to の用法
これは”to”の後に動詞の原形をとる「不定詞」と呼ばれる用法ですね
この用法で使われた場合は”want to”より上品・丁寧な意味で「〜したい」を表します
- I don’t want to see him ever again
→彼の顔はもう二度とみたくない - I don’t wish to see him ever again
→彼とは二度と顔を合わせたいと思いません
ビジネスメールなどで、ちょっとかしこまった感じで「〜をお伝えしたい」時には”I wish to advise 〜”と言う言い方もあります
実際にオーストラリアの電話会社”Oputs”のガイダンスでもこの表現は使われています
Optus wishes to advise that you have insufficient credit to make a call
→生憎、クレジット足りない為電話をかけることができません
“Hope”の用法
では、”Hope”の場合はどうでしょうか?
“Hope”はそもそも、”Give me chocolate”(授与型)の用法が使えない動詞なのです
その為、”Please wish me luck”とは言えても、”Please hope me luck”とは言えないのです
Hopeの用法は「レポート文型」と「不定詞」のみです
Hopeのレポート文型
“Hope”には授与型が使えないことは説明しました
よって”Hope”で「願い」を表す場合、はレポート文型で言う必要があるのです
- “We wish you a merry Christmas”
↑授与型 - “We hope that you have a merry Christmas”
↑レポート型
もし”wish”をレポート文型で言ってしまうと
- We wish that you had a merry Christmas”
→素敵なクリスマスを過ごせるといいね(多分無理だろうけど)
と「非現実的」・「反事実」 のニュアンスが入ってしまうんでしたね
ポイント!
「願い」(非現実性・反事実を含まない)を表現する場合は
- “wish”は授与型:
→We wish you a merry Christmas - “hope”はレポート文型:
→We hope that you have a merry Christmas
Hopeの不定詞
“hope”は不定詞で使われた場合、「〜するつもり・〜する事を望んでいる」という意味になります
例えば、7時の電車に乗ろうとしていたけど、知人(jeremy)から電話がきちゃって乗れなかった場合
[voice icon=”http://business-eigo-global.com/wp-content/uploads/2017/01/Profile01.png” name=”シゲル” type=”l icon_blue”]I was hoping to catch the 7:00 train and would have caught it, if Jeremy hadn’t called me[/voice]
また、ビジネスメールでも以下の表現で使われたりします
Hope to hear from you soon
※この言い回しを使うには下記の条件を満たしている時が適切です
- ある程度既に連絡を取り合っている
- 返信を促している
引用元:EF English live
おまけ
いかがでしょうか?
“Wish”と”Hope”の用法・違いがこの記事を読んでスッキリしていただけたら幸いです
最後にリスニングの勉強も兼ねて、英語で”wish”と”Hope”の違いを説明している動画を紹介します
ぜひ参考にしてみてください
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→英語を習得するのに文法学習は必要か?に対する答え
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