前置詞”to”と”for”には、日本語訳では似たような意味を持っているので、使い所に迷ってしまいますよね。
この記事では以下3つの例文に触れて、その微妙な違いを説明します。
1:「私にとって、家族は大切なんだ」
- My family is important to me.
- My family is important for me.
2:「私にとって、服装をきちんとするのは重要なんだ」
- It is important to me to dress well.
- It is important for me to dress well
3:「結婚記念日、彼女に何したの」
- What did you do to her on wedding anniversary ?
- What did you do for her on wedding anniversary ?
前置詞”to”と”for”を変えると、聞き手の解釈も変わってきます
ネイティブすらも、その違いに「パッ」と明確に答えられる人もいないこの微妙な問題。
私自身も調べていくうちに、とても勉強になったので紹介します。
こんんちは!シゲル(@shigemaropress)です。
日本生まれ、日本育ちで偏差値53の高校を卒業しましたが、TOEIC965、IELTSは7.0取得し、英語を使う会社で働きつつ、副業で外国人を相手にビジネスをして外貨を稼いでいます。
“to me”と”for me”のニュアンス
まず大まかな違いは下記の通りです
- “to me”は個人的な意見・感情
- “for me”は「目標・目的達成のため利益」
ただこれだけ言われても、いまいちピンときにくいですよね。。
実際に冒頭の例文を使ってその違いを見ていきましょう
僕にとって家族は大事なんだ!
まずは家族の例です。
My family is important to me
うんうん。家族が好きなんだなぁ
この場合、僕は単純に自分の意見・感情を述べています。聞き手の印象も「幸せな家庭環境だったんだろうなぁ」とか「周りの人に恵まれたんだろうなぁ」と思うかもしれません
これが”for me”に変わると目的・目標達成のための利益の意味合いが含まれてきます
My family is important for me (家賃払わなくて済むし)
ん?家族を利用しているのかな?
といった具合に「家族から何かしらお得な事してもらっているのかな」という印象が残ります。
上記の例だけだと、まるで”for me”は避けた方が良い言い回しに思えてしまいますよね。
でも、使い所によっては”for me”もしっくりくる場合が次の例文のような時。
私にとって服装をキチンとする事は重要なんだ
- It is important to me to dress well
→ただ単に自分の信念として着飾るのが好き:個人的な意見・感情 - It is important for me to dress well
→何か「利益・目標達成」のため
もしあなたの職業が人前に出る事だったらどうでしょう?服装をキチンとすることで相手に好印象を持たれ自分の利益になるのであれば”for me”が使えますよね。
上記の理由もあって”for me”を使う場合は、理由を伝えた方が、聞き手もしっくりくると思います
- It is important for me to dress well because I need to give a good impression to my clients
いかがでしょうか?
“to”も”for”もどちらも意見を述べるときに使われますが、”for “には「その人のためになる=利益」のニュアンスが含まれています。
次に紹介する例文で、その違いがくっきりと浮き彫りになります。
結婚記念日、彼女に何をしたの?
この例の場合、”to”と”for”を変えると意味が180度変わります。
- What did you do for her on wedding anniversary
→結婚記念日に彼女に何してあげたの?
“for”が使われているこの文では、”彼女のためにしてあげる“ということになりますね。
つまり彼女の「ためになる=利益」の意味になります。
しかしこれが”to”になるとどうでしょう
- What did you do to her on wedding anniversary
→結婚記念日に彼女に何(しでか)したの?
この場合、「その人のためになる=利益」の意味は含まれません
そのため、どちらかというと「一体彼女に何しでかしたの/彼女に対して何しでかしたの」?というニュアンスになってしまうのです。
ドラマなんかでもよく使われているセリフです。
子供を誘拐された父親が犯人に向かって
“WHAT DID YOU DO TO MY SON/DAUGHTER”
(俺の息子/娘に何をした!)
いかがでしょうか?
“to”と”for”のニュアンスの違いを知って、ぜひ使い分けて見てください。
またリーディングの時でも、「なぜここでは”to”が使われているのだろう」というように意識して読んで見てください。
回数をこなすことで、この2つの前置詞の違いが頭に落とし込まれていきます。
次の英文を理解できない方は下記の記事が参考になるかと思います。
This is the wine that I thought you said all the French people you had met in Paris described as ‘The King of Wine