リスニングの勉強を続けていると、何回聞いても聞き取れない単語が出てきたことありませんか?
教材のスクリプトを見て単語を確認しているにも関わらずです。
でもどうしていいかわからず、何回も聞き返していませんか?いつか聞き取れるようになると信じて。。。
私も実際映画を見て勉強していた時、何回再生してもスクリプト通りに聞こえない&拾えない単語がありました。
こんんちは!シゲル(@shigemaropress)です。
日本生まれ、日本育ちで偏差値53の高校を卒業しましたが、TOEIC965、IELTSは7.0取得し、英語を使う会社で働きつつ、副業で外国人を相手にビジネスをして外貨を稼いでいます。
で、これは結構凹みますよね。。
何回聞いてもスクリプト通りに聞こえないし、聞き取れるようになる兆しすら見えないのですか・・・
でもよく考えたら実はこれ、そこまで固執する問題ではないと思ったのです。
むしろ、リスニング力とは違う部分を鍛えなければいけないことに気がつきました。
今回の記事は、上記のような悩みを抱えている方のリスニング力に関する実態について私なりの解釈を紹介したいと思います
何回聞いてもセリフ通りに聞き取れない音が存在する理由
英語を勉強していると必ずこの「聞き取れない単語」というものに遭遇します。
スクリプトを見ても、何回も聞いてもその綴り通りにはどうしても聞こえないのです。
しかも残念ながらこの類の単語は苦行のごとく何回繰り返しても一生聞き取れるようにはなりません。
それにはきちんと理由があります。
そしてそれは、気がついていないかもれませんが、日本語でも日常茶飯事で起こっていること。
すごく当たり前の答えになってしまうのですが、、何回聞いてもスクリプトのように聞こえないのは「そのように言っていないから」です。
実はリスニングは、経験と推測で修正している部分が結構あります。
ネイティブや英語上級者たちは、年数を重ねた経験で、「そのように聞こえない部分」を修正して推測して理解しているのです。
しかもこの推測は、ほぼ100%的中できる推測です。
実はこれ、みなさんも日本語で必ずやっていること。
ではちょっと日本語の例を使って説明して見たいと思います。
ちょっと想像してください
あなたは今、お寿司屋さんで美味しい食事を終え、会計を済ませお店をちょうど出るところです。
すると、気前のいい板前さんが「ありゃしたー」!!!とカウンター越しに言いました。
この「ありゃした」!は我々日本語ネイティブからしたら「ありがとうございました」というのが即座にわかりますよね?
しかも
- 板前さんという職業柄
- 飲食店の活気あるれる雰囲気
という要素から、なぜそのような言い方をするのも経験から推測し、脳内で「ありがとうございました」という意味に修正することができます。
これがもし、日本語の初心者で初めて日本に来る外国人が店を出るときに聞いたらどう思うでしょう?
「えっなんて言ったの」?
「会計にミスでもあったかな」?
「なんであんな勢いのある声なんだろう」?
と「ありゃした」→「ありがとうございました」と修正できないと思います。
ましてや「ありがとうございました」と聞き取ることなんて無理ですよね?だって実際にそう言っていないのですから。。。
つまり「ありゃした」→「ありがとうございました」と推測・修正するためにはリスニング力ではなく、経験値の問題なのです
で、この経験値は何から構成されているのか?というと
- 文法の知識
- 会話のパターンやフレーズ(店を出るときは「ありがとうございました」)
- 文化的背景(板前さんや日本の飲食店の雰囲気など)
- 単語やイディオムの知識
これらの積み重ねなのです。
初級者用のリスニング教材の場合、上記のような例はほとんどないと思いますが、ネイティブ向けの動画や映画になると、「何回聞いても聞き取れない・・」となるのには、こうした理由があるのです。
聞き取れるリスニング力をつける方法
つまるところ、リスニング力は音を聞き取れるだけではないということになります。
聞き取れない部分を推測して修正するための「経験値」と「知識」も大切になります。
「会話が聞き取れる」≠「リスニングで理解できる」には1つ要素が不足しており、
「会話が聞き取れる」+「聞き取れなかった部分を推測&修正できる」=「リスニングで理解できる」
となります。
「会話が聞き取れる」≠「リスニングで理解できる」に固執してしまうと、言っていない音を聞き取ろうとする無謀な修行にはまってしまいます。。。
実際に英語ネイティブの講師も、「完全に聞き取っていない」とおっしゃっています
→Hapa英会話より抜粋
ということは、「文法の知識」や「会話のパターン」、「自然な表現」などを頭に入れておくことも、実はリスニング力UPには欠かせない勉強となるのです。
そうすれば
- 「この状況ではこう言ったはずだ」
- 「文法にそうならこの単語だろうな」
と言ったことが無意識のうちに修正にできるようになります。
「全て聞き取れなきゃダメなんだ」!と思う気持ちもわかりますが、それと同時に「推測&修正できるための知識」にも目を向けてみるとリスニング力が上達しやすくなります。
推測&修正できるための知識を得る方法
では、その「推測&修正できるための知識」を得るための方法ですが、2ステップに分けて行います。
ステップ1:たくさんの英語に触れる
たくさんの英語に触れる、つまり「インプット」です。
たくさんの英語に触れてることで
- 英文の型が染み付く
- 英語の構文の種類
- よく使われる表現&パターン
- 熟語
を知り、英語の「データベース」を構築します。
これが増えれば増えるほど、推測できる領域が増えていきます。
ステップ2:しらみつぶし
ステップ1をしていると「何回聞いても聞き取れない」という会話の場面に出くわします。
その時に、何回も聞くのではなく、数回聞いて聞き取れなかったらスクリプトを確認。
英語の勉強は必ず「スクリプト」があるものを選ぶことをおすすめする理由がここにあります。
そして聞き取れなかった原因を探すのです。
- 知らない単語だから?
- 知らない構文だったから?
- パターンを知らないから?
- 音が省略されているから?
- 音が繋がっているから?
など、自分が聞き取れなかった理由を分析し、自分の弱点をあぶり出すのです。
もし知っている単語や構文だったのに聞き取れなかったらメモしておいて、次回同じ単語・構文に出くわした時に比べてみます。
話者のイントネーションの問題だったのか、それとも音量の問題なのか、はたまた実際には違う発音をするのかもしれません。
私の場合、Regularlyという単語をネイティブが「レギュラリー」ではなく「レギュリー」と言っていたり、Askを「アスク」ではなく「アクス」と言ったりしている場面に何回か遭遇しています。
何が自分は聞き取れないのかは、たくさんの英語に触れてしらみつぶし的に発見して克服していくしか方法ないと感じています。
ただ、リスニング力というのは、こうした細い部分も理解&推測ができる能力と、話の流れ・全体像をガバッと掴む能力に分けることができます。
もし、あなたが単語を一つでも聞き逃すとパニックになるという場合は、後者の「全体像をガバッとつかむ」能力をあげると驚くほどリスニング力が上がりますし、「一語一句聞きた取らねば!」というプレッシャーから解放されます。
このスキルを磨く勉強方法として多聴があり、そのやり方は別記事で解説しています。
(記事下で紹介)
音声は映画や海外ドラマよりも、発音が綺麗で聞き取りやすいニュースや英語学習者向けの教材(スクリプト付き)が効果的です。
オーストラリアの子供向けニュースの「Behind the news」というサイトは5分くらいの短い動画が多く、しかもスクリプト付きなので英語初心者にはオススメのサイト。
このサイトの動画は実際にオーストラリアの語学学校の教材としても使われたりしています。
ただ上記のサイトは日本語の解説等はもちろんないので、ある程度読み書きのレベルができる人にちょうどいいと思います。
実際に試して見て上記サイトがまだちょっと難しい、日本語の解説等が欲しいという方は、アルクのヒアリングマラソンシリーズも参考にして見てください。