記入済みの書類は当日現地でスタッフに渡して頂いて結構です
先日、こんなやりとりがメールであったので紹介します。
もし自分が、これを英語で伝えたい場合は、どのように書きますか?
状況は、とある私有地へ入るための手続きをしていて、必要書類(すでにPDFでもらっている)の提出方法について私が以下の文章で問い合わせた際の回答です。
Is it ok to hand them over to your staff on site on the ○○th
○日にその場で書類をスタッフに渡してもよろしいですか?
できれば、今自分が持っている英単語と文法知識を組み合わせて一回でいいので組み立てみてください。
言葉ですので、人の数だけ回答があると思います。
私が紹介するのは、ネイティブが使った表現です。
これが「絶対」ではなく、模範回答や今後の英作文に役立てばこれ幸いです。
では紹介します。
先ほどの私の質問に対して、以下のように回答が来ました。
it will be fine if you bring the completed forms and hand them to us on the day.
記入済みの書類は当日現地でスタッフに渡して頂いて結構です
上記のたった2行の英文からでも、今後の英作文に生かせられる文法ポイントがあると思いませんか?
私の視点から見ると、5つポイントがあります。
- 「ご返信ありがとうございます」の英語表現
- If 文と助動詞”will”の関係
- 「記入済み」の英語表現
- 「渡す」は’give’ではなく’hand’を使っている
- 「当日」の英語表現にみる’the’の使い方
1:「ご返信ありがとうございます」を英語で
ビジネスメールの挨拶としては定型文ですよね。
英語の場合も、もちろん使われます。
言い方は一つでありませんので、今後もまた紹介します。
今回の例では、“Thank you for getting back to me” です。
“Get back to”には「戻る」という意味があり、「僕の元に戻って来て」=「返信をくれて」という解釈になります。
この英文では、前置詞 “for”の後ろに”get”が来ているため、動名詞“getting”の形を取っています。
この前置詞と動名詞の関係がわかれば応用力が広がります。
知っている動詞の数だけ「〜してくれてありがとう」や「〜して申し訳ありません」が言えるからです。
例:
- Thank you for coming to ○○ shopping centre
(○○ショッピングセンターにお越しいただきありがとうございます) - Thank you for inviting me
(ご招待ありがとうございます) - I’m sorry for being late
(遅くなり申し訳ありません) - I’m sorry for getting back to you late
(ご返信が遅くなり申し訳ありません)
このように応用が効くのです。
つまり「自分で英語を吸収して応用して使える」ようになる。
だからこそ、このサイトでは、文法を大事にしています。
2:If文と助動詞”will”の関係
“if”と”will”は実は結構頻繁に組み合わされて使われます
理由は、”will”のニュアンスのである「予測」と「スイッチ」によるものです
詳しくはこちらの動画で説明しています
(8:10秒目辺りから)
3:「記入済み」の英語表現
上記の英文から”Completed”が「記入済みの」に値する表現だというのがわかりますね。
“Complete”は動詞です。
“completed”の過去分詞型(受け身:〜された)にして「形容詞」として英文中では使われていますね。
「形容詞」とは名詞を説明する言葉です。
このように動詞を過去分詞型にして「形容詞」として使う用法は頻繁にあります。
例
- developed countries
(先進国) - dried mangos
(ドライマンゴー) - aged beef
(熟成肉)
などなど、日常で頻繁に使われる表現です。
今回は”Complete”(〜を完了する)を過去分詞にして「完了された」=「記入された」として使っているのです。
過去分詞型の使い方は、このように「形容詞」として使う場合と「現在完了・過去完了」の用法で使うパターンがあります。
4:「渡す」は’give’ではなく’hand’を使っている
“hand”の意味は「手」だけではありません。
今回の英文のように動詞として使えば、「渡す」という意味で使えます。
もちろん”give”でも通じますが、大まかに「与える」というニュアンスが強いのです。
そこで今回は、”hand”の持つ「物理的に差し出して渡す」というニュアンスを使用しました。
後、もう1点! 実は、”hand”の「手」という意味、日本語と同じように「助け」の意味でも使えます。
- Can you give me a hand ?
(ちょっと手かして) - Do you need a hand?
(ちょっと手かそうか)
「渡す」という意味の”hand”、ぜひ今度から使ってみてください。
5:「当日」の英語表現にみる’the’の使い方
英語で「当日」は “the day” なんです。
先の英文 “〜hand them to us on the day” の”the day”です。
ここで質問です。
- I want a dog
- I want the dog
の違いがわかりますか?
二つの例を理解することで「冠詞」の”a”と”the”役割のイメージがクリアになります。
そこが分かれば、「当日」の表現に”the day”が使われている理由もスッキリします。
I want a dog(犬欲しい)
what do you want a dog for ?(なんで)
上記の例の場合、犬全般を指して欲しいという意味になります
その為、犬種や大きさ、オス・メス等は特に指定されません
ところが”a”を”the”に変えるだけで、意味がガラッと変わります
I want the dog(犬欲しい)
…….which dog are you talking about?(。。。どの犬の事いってるの?)
この場合、話し手の私は、ある特定の犬を指していることになります。
よって、聞き手の方が「どの犬なのか」わかる状況で”the”を使わないと上記のように「どの犬の事」?ってなるのです。
その為には前もってその特定の犬の話題が出ていることが必須ですよね?
では、私のメールのやり取りに戻ってみてみます。
私は最初に
Is it ok to hand them over to your staff on site on the ○○th?
と、この時点で日程をすでに特定して(話題に出して)聞いています。
そして、相手は”the“を使って「その特定の日」=「当日」と返してきました。
it will be fine if you bring the completed forms and hand them to us on the day.
返信をもらった聞き手側の私は、”the day” と言われて、どの日を指しているのかわかる状況ですよね?
日本語の「当日」という言葉も、聞き手側がどの日なのかわかってる状態で使いますよね?
- 入場料は当日現地でお支払いください
- 当日現地集合でお願いします
と、言われた側が、「どの日」なのかわかっている状況で使われます。
- 「当日」の使用場面
- “the”の使用場面
この二つを理解すれば”the day”で当日になる理由が掴めるかなと思います。
まとめ
先に述べましたが、品詞がわかれば応用がきき、表現の幅が広がります。
インターネットを使えば、無料で生の英語に触れることができるこの時代、先ほどの例のように「自分で英語を吸収して応用して使える」ようになれたら、英語教材は無料で無限に手に入ります。
これができるようになれば、インターネットでタダで英語がいつでも学べるようになります。
だから私は何よりも先に文法学習をすすめています。
それが英語学習において一番コスパの良い時間とお金の使い方だと思うからです。
もちろん、文法を学ぶ必要が無い人もいます。
自分に文法は必要だろうか?と思うのであれば、ぜひ下記記事を参考にして見てください。