スピーキング 上達の為に必要な勉強方法を紹介します
まず最初に大切な事をお伝えしたいのが、『スピーキング』は英語スキルの中で一番高度なスキルということです
英語力を構成する分野を大きく分けると次の6つになります
- 文法の習得度
- 語彙力
- リーディング力
- リスニング力
- ライティング
- スピーキング力
特に赤字の4つのスキルに関しては、独立して上達させることができません
この4つの各スキルはそれぞれ、その他のスキルが複雑に影響し、また語彙力や文法知識の支えがあってあなたのスキルとなっています
その為、
『リスニングを伸ばしたいからリスニングをたくさんするぞ』!
『長文を読めるようになる為に洋書や英字新聞を使うぞ』!
『スピーキングを伸ばしたいから、英会話教室に通うぞ』!
のように
「Aを伸ばしたいからAの勉強をする」
という単純なアプローチだけでは、伸び悩む可能性が非常に高いですし、場合によっては全く効果が見えない・・ということに陥りかねません
英語力というのは大まかに次のような図で表すことができます
この図のように『スピーキング』や『リスニング』はその下の『ライティング』や『リーディング』に支えられています
『ライティング』や『リーディング』は、さらに下の『文法知識』と『語彙力』によって支えられています
これを抑えていないと
- 英語をたくさん聞いているのにリスニング力がアップしない
- 長文になると目で追うだけで何回も読み直してしまう
- 単語を覚えたもののどう使って英文を作ったら良いかわからない
- 英会話教室に通っても話せるようにならない
という悩みを抱える羽目になってしまいます
この記事では上の図を元にして、レベル別にどのようなアプローチでスピーキング上達を目指したら良いのか紹介します
特に『スピーキング力とリーディング力の関係』については、見落としている方も多いと思うので、ぜひ参考にしてみてください
英語学習の順番
冒頭にも書きましたが、スピーキングは英語スキルの中でも一番高度なものです
だからこそ、学ぶ順番がとても大切になってきます
英語学習の効果的な学習の順番の目安は次のようになります
- 文法+基礎的な単語
- リーディング+自分に関連深い単語
- ライティング+自分に関連深い単語
- スピーキング+専門用語+特別な表現など
詳細はこちら
→何から始める?英語学習に効果的な順番を徹底解説!
ここで大切なのは、『前段階を完璧にしてから次に移行することではない』という事です
例えば『ライティングを完璧にしてからスピーキングに移行する』ではないという事
大切なのは学習量への割合です
文法知識を網羅してなくても読める英文はあります
基礎的な文法を身につけたら、洋書や英字新聞などの難しい英文ではなく(←非常に重要!)簡単な英文を読んで『英語を英語のまま理解する』という感覚を身につけます
このようにして、まずは英語を頭に入れる(インプット)することで、ライティングやスピーキング(アウトプット)が可能になります
次にスピーキングとライティングの関係について紹介します
スピーキング 上達とライティングの関係
スピーキングとライティングの関係は切っても切り離せません
なぜならスピーキングの上達は、主に次の要素から考えることができて
- 単語の羅列ではなく、文法にそった構文である
- 思ったことが口からスッと出てくる
- 使う単語が適切である
- 発音・イントネーション・強弱がしっかりできている
上の赤字の要素はライティングによって鍛える必要があるからです
英語に置いて文法にそった構文はとても重要です
なぜなら、英語は『配置の言語』と呼ばれ、単語を置く位置で意味が決定するからです
“Sugar free” は『砂糖が入っていない』
“”Free sugar”は『無料の砂糖』
日本語の場合、単語の順番間違いはそこまで致命的ではありません
むしろ『は』や『を』が大切ですよね
- 僕は日本語を話しますよ
- 日本語を話しますよ僕は
- 話しますよ日本語を僕は
- 日本語を僕は話しますよ
「は」と「を」が目印となるので、文中の配置を変えても意味は一緒で文として成立します。
しかし、英語の場合はそうも行きません
- I speak Japanese”
僕は日本語を話します - “Japanese speak I”
日本語は「僕は」を話します - “Speak I Japanese”
「私日本人」と話せ - “I Japanese speak”
私は、いち日本人として、話す
となります
この配置を理解する上で『品詞』の理解が英語上達の速度をグンと早めてくれます
文法を学ぶことは、テストの穴埋めができるようになる為ではなく、自分の考えを0から組み立てることができるようになる為です
しかし、英文が頭で組み立てられる事と思ったことがスッと口から出てくる事は別物です
オーストラリアに来た当初の私は、先に書いた英文を読み上げていた時もありました
これは実質音読であり、『思ったことが口からスッと出てくる』という要素を上達させることはありませんでした
これを克服するためには瞬間英作文という別のトレーニングが必要でした
→【なぜできない?】英語が書けて話せるようになる には必須の学習法
そして今、私自身は英語のやり直しを決め、発音矯正をしています
これは上の要素のうち『発音・イントネーション・強弱』の練習に当たります
→英語の発音が通じない?発音記号で矯正した後に見えた英語の新しい世界
このように一口に『スピーキングを伸ばす』といっても、様々なアプローチが必要になって来ます
次は意外と見落としがちな『リーディング力とスピーキング力の関係』を紹介します
スピーキング 上達とリーディングの関係
一見リーディングとスピーキングは対極にあるように思いますが、実はリーディングをする事でスピーキングを伸ばすことって可能なんです
こんな経験ありませんか?
『本当はもっと単語や表現を知っているのに、実際に話そうとすると出てこない』
『読んだり聞いたらわかるけど、自分から言葉として出てくることはないだろうな』
このような問題は誰もが持っています
なぜならアウトプットができる量はインプットされている量のごく一部だからです
『知っている単語・表現』と『実際に使える単語・表現』の間には大きなギャップがあります
知っているけど使えない
その理由は
- どんな場面で使えば良いかわからない
- どんな感情を伝える表現なのか実感がわかない
この2つが大きな理由です
例えば単語本などで『Interesting=おもしろい』と知ったとします
でも日本語の『おもしろい』っていろんな場面で使えますよね?
- 〇〇ってコメディー映画見た?あれめっちゃおもしろいよ
- あの芸人、めっちゃおもしろいよ
- ヘぇ〜、話す言語と貯蓄率にそんな関係があるんだ。おもしろいね。
→興味のある人はこちら
このように、日本語の『おもしろい』を一つとってみても、微妙に意味が違いますよね?
同じ単語を使っているのに、話者の感情は違っています
単語本などで、日本語の意味は確認できますが、字面のみの理解が限界です
言葉は感情を伝えるツール
字面のみでの単語の理解は、単語と感情が繋がった状態ではありません
これは英会話をする際に障害となります
会話というのは『伝えたい感情を言葉にする行為』です
だから単語と感情が繋がっていないと『この感情を伝えるためにはどう表現したら良いのだろう』?となってしまいます
例えば日本語の
『よくそこまで横柄でいられるよね!』
この表現には『驚き』や『信じられない』、『呆れ』といった感情が込められていますよね?
この3つの感情を込めた表現を英語でしたい時に、字面だけで勉強しているとなかなか出てこないと思います
おそらく
- 『よく』だから”good”?
- 『そこまで』だから”to that extent”?
- 『横柄』は”rude”か”thick-skinned”
- 『いられる』は状態だから”be動詞”かそれとも”remain”かな?
と言った具合に分解して、組み立てて行く事になると思います
で、いきなり回答ですが、この『驚き』『信じられない』『呆れ』の3つの感情を込めていうときは
“How could you ~ ” で始まる表現をよく使います
(文法的解説はトピックから逸脱するのでここでは割愛します)
上の『よくそこまで横柄でいられるね』は”How could you be so rude”と言う事ができます
他にも
- How could you do that to her
→よく彼女にそんな事ができるね - How could you not tell me!?
→なんで黙ってたの?(よくも知らせてくれなかったね)
こんな感じで使う事ができます
で、もう一つ英会話で障害となるのが、『ニュアンスの差異がわかならい状態』です
先ほどの『”Interesting”=おもしろい』と字面のみで理解した場合、どの『おもしろい』に当てはまるのかわからないですよね?
日本語の『おもしろい』は、英語にするといろんな使い分けが必要になります
- Interesting = 興味をそそられるおもしろさ
- Hilarious = 馬鹿笑いしたくなるおもしろさ
- Funny = 愉快な感じのおもしろさ
- Fascinating = 目が離せないくらい魅力的なおもしろさ
なので、コメディー映画が面白かった事を伝える時に、”interesting”を使うと相手に
『この人はコメディーの勉強をしているのかな?』
『トピックが知的好奇心をくすぐる係なのかな』
といったニュアンスになってしまいます
英語を話す上で
- 『この感情を伝えるためにはどう表現したら良いのだろう』
- 『ニュアンスの差異がわかならい状態』
この2つの問題を乗り越えるために必要な事
それはたくさんの英語に触れる事しかないんです
それも短文ではなく、文脈のある英語です
文脈がある事で、感情の流れを捉える事ができます
例えば先ほどの”how coud you do that to her”を短文だけで初めて読んだ場合、おそらく
えっと、『どうやってそれを彼女にする事ができたの』?、どう言う事だ?
となりやすいと思うんです
それが、次のように文脈があったらどうでしょう
A:”hey haven’t seen you in a while ”
おぉ!久しぶりじゃんB:”yeah, I’ve just returned from a trip to my home town”
ちょっと実家に戻っててね。ちょうど帰ってきたばっかだよA:”How’s your mum? heard she is in hospital ”
お母さんの調子はどう?入院してるって聞いたけどB:”Don’t bring that up with me. I will never ever speak to her again”
その話題はよして。彼女とはもう二度と話さないと決めたからA:”What happened? ? After all she’s done for you, how could you do that to her”
どうしたの??今までたくさん良くしてもらって、よくそんな事彼女にできるねB: “Because she sold my precious memento from my grandma”
だって俺の大切にしてたばあちゃんの形見を売ったんだもん
と、 まぁちょっと話の流れを無理やり作ってみましたが、このように文脈があったほうが、Aさんの感情の流れを自分と重ねて『驚き』『信じられない』『呆れ』が読み取りやすいですよね
このようにして文脈の流れの中で”how could you”に出会う事で、文字と感情が繋がっていきます
その積み重ねが『こう言うときは、こう言えばいいのか』とあなたの会話力となって跳ね返ってきます
文脈の流れそのものを理解するためには、リーディング力が必要です
これが、リーディング力がスピーキング力に与える影響の関係です
英会話を伸ばしたければ、リーディング力を上げることの大切さがここにあります
レベル別のおすすめアプローチ
冒頭にもお伝えしましたが、英語のスピーキングはもっとも高度なスキルです
もしあなたが、文法知識があやふやなのであれば、まずはここをキチンと理解しておく事が大切になります
ただ文法の勉強って『退屈』で『つまらない』物が多いと思うんです
それに加え、説明に使われる言葉の意味がすでに難解な事もあります
『説明の日本語がすでにわからない・・・・』
私も経験あります。。説明の意味がわからないんです
それに分厚い文法書を一からスタートしても、どのペースでやれば良いか迷ってしまうし、覚える事が多すぎて消化不良を起こしてしまいます
頭がパンクしちゃうんですよね。。。
最近、私は英語のやり直しを決め、とあるオンライン講座を受けています
この講座はものすごく、勉強になりとても楽しく受けているのですが、そのやり方に感動しました
それは毎日送られてくるメールで学習する形式なんです
これの何が素晴らしいのかと言うと、『程よい長さ』で『小分け』された状態でメールが届くんです
これはつまり
- その日学ぶトピックが明確
- 届いたメールは通勤などの隙間時間でスマホで読める
- 程よい長さなので頭がパンクしない
- 後から読み返して理解を深める事ができる
- 毎日届くので習慣化しやすい
- 前日のトピックをカバーしたりと自動的に復習できる
文法書一冊『ドン』と用意すると、机に向かう時間の確保が必要ですし、勉強のペースを一から作る必要があります
そして難解な説明文や膨大な情報量によって頭がパンクしてしまいます
それが、毎日メール形式であれば、通勤時間などの隙間時間で勉強ができるようになり、勉強量も消化不良を起こさない程度で作られていますし、勉強までの手間がかなり減ります
文法というのは単語と違い、際限があります
一度この文法を覚えてしまえば、変わることはないんです
基礎的な文法知識は、わかりやすい説明であれば2ヶ月で頭に落とし込むことは可能なんです
文法知識の差は今後の学習効率を決定づけるので、絶対におろそかにしておきたくない分野なんです
この毎日メール形式の文法講座に興味のある方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください
リーディング力が足りない人
リーディング力がスピーキング力に間接的に有効であることは理解していただけたかなと思います
しかし、英文の長文読解が苦手な方って、勉強方法を間違えている方が多いんです
もしあなたがこれから、リーディング力を伸ばそうと思っていて、洋書や英字新聞など自分の英語レベルより高い英文を使って勉強しようとしているのであれば要注意です!
英語の長文を克服するアプローチは2つあります
一つは簡単な英語をたくさん読むこと
“I love you” や “He eats banana every morning”は日本語に直さなくても意味が理解しやすいです
あなたにとって日本語に直す必要のない簡単な英文にたくさん触れることで、英語を英語で理解する感覚が養われていきます
この方法に加えもう一つのアプローチを加えることで徐々にレベルの高い複雑な英文も読めるようになります
それが、構造を意識して読むトレーニングです
文の構造を意識するためには文法の知識が不可欠です
でも文法の知識だけではなく、その知識を活かして英文を読む訓練が必要になります
つまり予測しながら読む事ができるか?がポイントになります
例えば
The man stabbed multiped times on a subway train has been taken to hospital・・・
という英文を読んだ時に、ポイントを抑えている人は “the man stabbed”の後に名詞がくるかどうかを必ず見分けています
名詞がくれば、『その男は刺した』となり、名詞が来なければ『刺された男』となるという事を瞬時に判断できるのです
英文法を理解したあとは、その知識を使って英文を読むためのポイントを学ぶ必要があります
このポイントがわかれば返り読みをする必要がなくなり、リーディングの速度がグンと早まります
リーディングの速度が上がるもう一つの理由が、英文を塊で捉える事ができるようになるからです
これはスラッシュリーディングに関する記事でも伝えましたが、単語1つ1つに囚われていたのが、塊で見えるようになります
上の文を読んだ時にstabbedの後に名刺が来なければ、即座に
“the man stabbed muliple time on a subway train has been taken to hospital”
と塊で英文が視野に入るようになります
このような英文法を使ってリーディング力を上げるためのポイントに特化したのに、同じ鈴木先生が提供するリーディング講座があります
この講座は英文法の時と同じようにメール配信形式で学べるので、ペースが掴めますし、またわからない所は鈴木先生に直接質問できます
英文法はわかっているけど、読み方のポイントがうまく掴めない
どうしても返り読みをしてしまう
といった悩みがあるのであれば、ぜひこちらの講座を参考にしてみてください
文法と語彙力は習得度を意識する
英語を学ぶ時に大切なのが、習得度という概念です
上にも書きましたが、
『知っている』と『実際に使える』の差はかなり大きいです
文法を駆使してリーディングは出来るけど、英文を作る事ができない
つまりライティングが苦手という場合には、英文作成の練習を行う必要があります
学んだ英文法を使って英文を0から組み立てられるようになる事が、実際に口から英語を出す時にとても役立ちます
どう役に立つのかというと
自分の間違いに気がつく事ができます
思ったことが口からスッと出てくるようになるためには『瞬間英作文』というトレーニングが効果大なのですが、最初の頃は絶対に間違えて英語が口から出てきます
どんなに簡単な英文であっても間違えて発してしまいます
“I couldn’t spoke to him”
“I gived up”
などなど、ライティングであれば間違えないようなミスを次々と起こすはずです
前もってライティングによって、正しい英文の構造が頭に入っていれば、間違いに気が付く事ができるので、少しづつ修正していく事ができます
ライティングの練習はただ書くだけでなく、実際に添削を受けてもらう事が上達のスピードをはやめてくれます
我々大人たちは、感覚で覚えるよりも論理的な説明で『納得』した方が頭に残りやすいです
その説明を受けるには感覚で話すネイティブよりも、同じ日本人の方からの添削が有効です
英文添削サイトで私がおすすめするのがIDIYという添削サービスです
→【英語添削IDIY】TOEIC900越えが評判の英作文添削のアイディーを試した結果
瞬間英作文の効果
英文の構造を頭に落とし込む事ができれば、瞬間英作文の効果が出やすくなります
私が今受けているメール講座は、第3文型と言われるSVOの英文を非常に重要視していて、初心者でも上級者でも関係なく徹底的にこの型の英文を集中して扱っていきますし、瞬間英作文の題材として使っています
ここのポイントは、まず先に知識として構文をインプットし、それをアウトプットして身につけていくという一連の流れです
だから瞬間英作文をやるのであれば、知識として知っている構文を使う事
初心者でも、第3文型をガッチリ行えば、第3文型の瞬間英作文を行う事ができるんです
瞬間英作文の効果的なやり方についてはこちらの記事を参考にしてみてください
→効果なし?瞬間英作文はやり方が超重要!コツを押さえたトレーニング
発音・イントネーション・強弱の矯正
意味の通じる英文は作れるようになった
言いたい事も大概口からスッと言えるようになった
それでも通じない時があるのであれば、発音矯正をおすすめします
これは私自身が今現在行なっているのですが、発音矯正はとても奥が深いです
この辺については、専用の記事を書いてきていますのでそちらを参考にしてみてください
→さらばカタカナ英語!独学で発音矯正する方法&知っておきたいこと
おさらい
いかがでしょうか?
英語のスピーキングを伸ばすには、様々なアプローチが必要であるイメージが掴めたでしょうか?
英語を話せるようになりたくて、英会話学校に通ったり語学留学を選んだりする人が多いですが、正直その前の段階にやるべき事をすっ飛ばしていてはスピーキング力は思うように伸びないのが実情です
これは、私がこのブログ上で何回もお伝えしているのですが、英語を学ぶ目的をキチッと明確にした方が勉強の効率は格段に上がります
目的が明確であれば、どのレベルになりたいのかはっきりします
目指すべきゴールがわかれば、それに向けて勉強方法を確率する事ができます
今一度、英語を学ぶ目的、英語が話せるようになって何がしたいのか考えてみてはいかがでしょうか?
ぜひ参考にしてみてください