【実例付き】受動態の前置詞の使い分け方!by以外が使われる理由

This keycard is protected with your own unique id number

以前の記事で紹介した「カードキー」に記載されていた英文です。


カードキー 英語

今回の記事では、この”Keycard”に書かれている説明文を使って文法とリーディングの学習してみたいと思います。

By以外の受動態

This keycard is protected with your own unique id number

こちらは、受動態の文が使われています。

「受け身」と言われる文章ですね。

Be動詞+過去分詞形は「〜される・されている」(行為・状態)という意味を持ちます。

この場合は、「される」(行為)よりも「されている」(状態)の意味の方が、しっくりきますよね。

そうすると「カードキーは、守られている」というイメージができます。

しかし、それだけだと何か足りないですよね?

  • 誰に?
  • 何で?
  • どのように?

と、いろんな角度から突っ込み満載な文章で終ってしまいます。

それをカバーする為に”with”以降の文で説明しているのです。

  • with your own unique id number
    →独自のID番号で

ここで疑問に思う人がいるかもれません。

なんで”by”じゃないの?

たしかに”by”には「〜によって」という意味があります。

ただ、大事なのは、日本語と英語は違う言語だということ。

日本語で「〜よって」という言葉がしっくりきても、それをそっくりそのまま、英語に当てはめることはできないのです。

日本語の「我慢」という言葉が良い例です。

それぞれの単語が持つ「イメージ・ニュアンス」を理解することが必要です。

“with”が使われている理由は、”with”が持つ「つながり」のイメージがあるため、”by”の基本イメージは「距離の近さ」。

この文章では、”by”を使わずに、”with”を使う事で「カードキー」と「ID番号」がつながっているイメージを重視しているのです。

ここで “by”を使う場合、何か物理的に守られているニュアンスになります。

  • This keycard is protected by a hard case
    →このカードキーはハードケースで保護されています
  • This keycard is protected by a security officers
    →このカードキーは警備員によって守られています

そのため、家を守る場合、「セコム」などのホームセキュリティーシステムの場合は、”with”を、警備員やカメラなどで守られている場合は”by”がしっくりきます。

受け身のニュアンスに関しては、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

不定詞

valid only during your stay. To extend your stay, your keycard must be re-coded

この文章で取り上げたい3つのポイントを色字にしました。

まず最初の前置詞”during”

これは期間をとる前置詞です。

ここで疑問に思うかもしれません。

なんでforじゃないの?

たしかに、期間なら”for”でも使えますが、ここでは”during”です。

これは、”期間を表すfor”と”during”に込められたニュアンスの違いによるもの。

  • For:「どれくらい続いたか」に焦点
  • During:「いつ、その出来事が起こったか」に焦点

以下の例を見てみます。

  • I was in Bali for 2 week
    →バリに2週間いました
    2週間続いた
  • I went to Bali during my summer holiday
    →夏休みの間、バリに行きました
    夏休みの間、起こった

ちなみに!
“for”には「目的」の意味もあるため。

  1. I was in Bali for my summer holiday

とすると、「私の『夏休暇』のためにバリにいました」と冬の日本から越冬としてバリに行ったニュアンスになります。

では”extend”を見てみます。

これは「延長する・伸ばす」というイメージを持つ単語です。

これを不定詞として使っています。

不定詞には様々な用法がありますが、今回の場合は「修飾位置でのto不定詞」と呼ばれるもので、【目的:〜するために】を文頭に持ってきた用法です。

この用法は

  • I’m going to okinwa to do some scuba diving
    →沖縄にダイビングするために行きます

と後ろに置かれて使うことも頻繁にある用法ですが、カードキーの例文では文頭に来ています。

もちろんカードキーの文も

  • Your keycard must be re-coded to extend your stay

に置き換え可能です。

ただ、文頭に持ってくる事で、「延泊するためには」を強調しているのです。

この英文を覚えておけば、旅行中に延泊したくなったら伝えられますね。

  • I would like to extend my stay
  • Is it possible to extend my stay?

といった応用ができますね。

ちなみにこの”extend”、こんな使い方もできます。

※Jetstarの機内アナウンス。

“extend our warm welcome to our Qantas code share and frequent flyer custombers…”と使っていますね。

機内アナウンスなので、かしこまった表現です。

「ジェットスター」のお客さんだけでなく、カンタス航空経由で搭乗した方に対しても”extend our warm welcome”すると言っています。

次に”must be re-coded“です。

ここでも「受け身」の文がつかわれていますね。

今度は”must”の助動詞つきです。

そして、日本語の「再」にあたる”re”もでてきました。

この”re-“は単語の前に置かれて、日本語の「再」と同じ役割をはたします。

  • Use → re-use
    利用→利用
  • Build → re-build
    構築 → 構築

といった具合です。

なので、今回の場合は”code”(コード化する)が”re-code”(再度コード化する)という単語として使われているのです。

そして、助動詞受け身の組み合わせとなり

  • must be re-coded
    →再度コード化させなければならない

という解釈になります。

翻訳例はこちら。

valid only during your stay. To extend your stay, your keycard must be re-coded
→滞在期間のみ有効。延泊の場合は、再度コードの入力しなおしが必要

そして3段目

Each lock keeps a security record of every entry

主語、動詞、目的語と下線部で区切ってみました。

“each”の後に来る名詞は単数形。

三人称単数なので”keep”(保つ)は三単現のsがついて”keeps”

目的語は”record”(記録)です。

大まかな解釈例

  • Each lock keeps a security record of every entry
    →施錠毎に記録をつけています

色字にしてある2カ所は、この英文でピックアップしたい項目です。

なぜ、この文章では”all”を使わずに”every”と”each”を使っているのでしょうか?

それは、限定詞”all”,”every”,”each”の3つには、それぞれ異なるニュアンスがあるためです。

大まかに説明すると

  • ALL:全体を大まかにひっくるてカウント
  • Every :個々をキチンと意識した上で全体をカウント
  • Each:個々をキチンと意識しているが、「全体」の意識は薄い

です

この違いに関しては、また別記事にて詳細を説明したいと思います。

この様に単語それぞのイメージを把握することは、英語学習においてとても重要です。

その単語の「イメージ」と文法をわかりやすく教えてくれるのがこちらの1冊。文法を理解してビジネスレベルの英語力を身につけるには持っていこいの書籍です。ぜひ参考にしてみてください

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