リスニング練習で重要なことは、実は「たくさん聞く」では無いんです。
もちろん、費やした時間も大事ですが、それよりも大事なことが抜けた状態で「量」を増やしても、いつまでたっても聞き取れるようにはなりませんし、伸び悩んでしまいます。
時間という「量」も大切ですが、費やした時間の「質」が大切です。
この記事では、「質」のあげ方について2つの大事な要素について解説します。
こんんちは!シゲル(@shigemaropress)です。
日本生まれ、日本育ちで偏差値53の高校を卒業しましたが、TOEIC965、IELTSは7.0取得し、英語を使う会社で働きつつ、副業で外国人を相手にビジネスをして外貨を稼いでいます。
その2つとは
- 自分のレベルにあった音声
- 学習の目的を理解する
です。
自分のレベルにあった音声
今はインターネットがあれば生の英語に簡単に触れることができます。
YoutubeやHulu、BBCやCNNなどのサイトにアクセスすれ、英語の番組が見られるので手軽にリスニングの教材が手に入ります。
こんな広告見かけたことありませんか?
「CDを聴き続けていたら、ある日英語が聞き取れるようになったんです」
よし、じゃあ自分も英語をシャワーようにたくさん浴びて、英語環境に浸ろう!と思って勉強してませんか?
もし、あなたが聞いているドラマ・映画やCDなどの英語の内容がほとんどわからないのであれば、落とし穴にはまっている可能性が大いにあります。
私の体験からも、わからないのを聴き続けて「ある日突然わかるようになる」現象は起きていませんし、少なくとも私の周りにもいません。
オーストラリりア在住10年以上の知人
私にはオーストラリア在住10年以上の知人がいます。
「英語があまり得意ではない」と言うもののTOEICでは750点くらいです。
私と彼に共通する趣味は「筋トレ」です。
実は私は、時々Youtubeの筋トレチャンネルを見ています。
ちなみに見てるのはこのチャンネル。
その友人もこのチャンネルを見ているのですが、(彼は私より前からこのチャンネルを知っていた)
英語力に変化なし
です。。。
後述しますが、彼は英語圏在住者の「なんとなーくわかるの壁」から超えられていないのです。
私自身は、この動画から筋トレに関する知識もそうですが英語表現もたくさん吸収させてもらっています。
このことから伝えたいのは、
わからないことを「ただ単に」聴き続けても英語力に変化はない
大事なのは自分のレベルにあった教材で聞くこと。
これがリスニングの勉強法における大事なポイントの1つ目です。
そして、この「自分のレベルにあった教材」と判断するための基準が必要です。
この判断基準は、以下3つの英語力になります。
- リーディング力
- 2種類のリスニング力
- 英語脳の達成度
リーディング力
リーディング力は、リスニング力を支える重要なスキルです。
と言うのも、英語学習の本質として
リスニングは読んですぐ分かる物しか聞けない(理解できない)
があります。
日本語でもみなさん経験ありませんか?
法律や薬学など、難しい分野の事を聞いたとき、言葉(音)は聞き取れても意味は理解できない事って今まで体験した事あると思うんです。
国語の授業でやった古文などの暗唱もそうです
(意味がわからなかったのは私だけではないはず・・・)
音は拾えても、意味まではわからない事も十分にありえる現象です。
だからこそ、前もってリーディングで知識を入れておけば聞き取りやすくなることは、私の実体験からも証明されていますし、リーディングをおろそかにできない理由がここにあります。
そしてリーディング力を支えるのが、「単語力」と「文法力」の2つです。
そのため、英語を0から始めるときは、この2つから取りかかるべきだと伝えました。
つまり上記をまとめると、
「自分のレベルにあった」=「スクリプト(セリフ)が理解できる英文であること」
になります。
例えば、関係代名詞や仮定法などがちゃんと理解できていない状態で、その構文が使われているリスニングを聞いても意味がないと言う事です。
私たち日本語ネイティブが英語を聞いたとき、頭に聞いた英文を思い浮かべて、それを読みます。
つまり
「音」→「文字」→「意味」
のプロセスです。
リーディング力は、「文字」→「意味」の処理を担当しています。
リスニングで、「単語は聞き取れるけど全体の意味がわからない」と伸び悩んでいる人もいるのは、この文法と語彙力に支えられた読解力のトレーニングが必要と言う事を見落としている可能性「大」なのです。
では、次に
「音」→「文字」
の処理について説明します。
2種類リスニング力
リスニング力は3つの能力の掛け合わせです。
- 聞いた音(単語&英文)を識別できる能力
- 聞いた音(単語&英文)の意味を理解できる能力
- 意味を理解した単語&英文から大まかな流れを掴む能力
上に述べたリーディング力はこの2番目の能力「聞いた音(単語&英文)の意味を理解できる能力」に当たります。
1番目の「聞いた音(単語&英文)を識別できる能力」とは、単語を一語一句聞き取れる能力の事です。
- Low の Rowの違い
- Shin と Sinの違い
等を聞いて識別できる能力です。
つまり
「音」→「文字」
をするための能力です。
この処理をするにも、単語として知っていることが前提条件なので、やはりリスニングには「リーディング力が必要」と言う事になります。
と言うことは、自分の知らない単語がありすぎる教材はあまり向いているとは言えません。
できればセリフの7〜8割くらいは知っている単語が使われているくらいがちょうどいいと思います。
その方が、負担になりすぎない程度の英単語の勉強も同時に行えます。
3番目の「意味を理解した単語&英文から大まかな流れを掴む能力」は、英語上級者になるために乗り越えなければならない壁です。
この1番目と3番目のリスニング力の違いは、後述する学習方法に密接に関連しています。
そのため、違いを認識しておくことは非常に大切です。
英語脳の達成度
学習方法について説明する前に、もう一つ重要な概念、英語を英語で理解する「英語脳」のレベルも考慮します。
“I love you”や”This is a pen”は、日本語に直さなくてもそのままの意味として理解できますよね?
この感覚で聞ける英文の量が「英語脳の達成度」になります。
その達成度を高める方法に関する記事がこちら。
もし、今聞いているリスニング教材の8割以上が、日本語変換が必要であれば、もっと易しい教材を使う方がより効果が見込めます。
学習の目的を理解する
先ほど紹介したリスニング力を構成する3つの要素がこちら。
- 聞いた音(単語&英文)を識別できる能力
- 聞いた音(単語&英文)の意味を理解できる能力
- 意味を理解した単語&英文から大まかな流れを掴む能力
では、これら3つの能力をあげていくためには、どのような勉強方法が効果的なのでしょうか?
1番目の「聞いた音を識別できる能力」は、まさに聞き取り能力です。
いわば、頭にデータベースとしてある単語と聞こえた音のマッチング作業です。
その能力を高めるためのトレーニング方法が「精聴」と呼ばれる勉強方法です。
2番目の能力は先にお伝えした「リーディング力」です。
3番目の「大まかな流れを掴む能力」は推測の能力に近いです。
これは「多聴」によって鍛えることができます。
精聴
精聴とは、文字通り精確に聴く事です。
聞こえた英語を一語一句聞き取れるようにする練習です。
ただ、この練習ばかりをしているとある壁にぶち当たります。
それが
わからない単語が聞こえるとパニックになる
です。
経験ありませんか?
リスニングのテストでわからない単語が聞こえた瞬間頭が真っ白になっちゃう事。
私はたくさん経験あります。。。。
このパニックにならないために必要なトレーニングが次に紹介する「多聴」でもあります。
多聴
「多聴」とは、文字通り、たくさん英語を聴く事です。
ネットの発達により英語環境が簡単に手に入るようになりました。
実質「英語漬け」は日本にいても手に入れようと思えばできる時代です。
- Youtubeで英語のチャンネルを見る
- NHKを英語の副音声にする
- HuluやNetflixで映画や海外ドラマを流す
- 英語のネットラジを聴く
などなど。
それでも、リスニング力が伸び悩む人たちがいるのは、アプローチに問題があるからです。
実際上記のような英語漬けを実践している人たちの悩みは、ワーキングホリデーや留学・駐在で英語圏に住んでる方々が抱える悩みとほぼ一緒です。
それが
なんとなーくわかるけど詳細までは掴めない
か
毎日聞いているのに一向に聞き取れるようにならない
です。
この問題を解決するためには「精聴」のトレーニングが必要なのです。
つまり、「精聴」「多聴」どちらかに偏った勉強方法は、どうしても頭打ちしてしまうのです。
大事なのはバランス
上の勉強方法は2つとも大事なトレーニングですが、どちらかに偏ってしまっている人たちがとても多いと思います。
大事なのはバランスであって、初心者ほど「精聴」の割合を大きくする必要があります。
自分は「精聴」に偏っていたかな〜と思った方。
もし知らない単語が出てくると頭が真っ白になってしまう方はこちらの記事をご参考ください。
または、「多聴」に偏っていたかな〜と思った方。
会話のなんとなーくの流れはわかるけど、詳細までは掴めないと悩んでいる方はこちらの記事も参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしょうか?
英語リスニングにおいて大事な2つな要素は
- 自分のレベルにあった教材
- 学習の目的を理解する
です。
自分のレベルにあったリスニング教材とは
- セリフの英文で使われてい文法構造が理解できる事
- 使われている単語が7〜8割知っている事
そして学習の目的を理解して、勉強に取り組む必要があります。
自分の苦手分野を認識して、それを補うための勉強方法を実践する必要があります。
リスニング学習は
- 精聴
- 多聴
- 英語脳
の3つの角度からのアプローチになります
参考にしてみてください。