
英語初心者や中級者がリスニングの勉強をする際には、スクリプト付きの音声を聞くことを強くお勧めします
一つの目安としてですが、TOEIC900点が取れるようになるまでは、様々な教材に手を出さずに教材を絞って何回も使うこと
初級・中級者にとって実はこれが上達への近道です
というのも、あまり英語の基盤がない状態で様々な教材をつまみ食いしてしまうと、教材の中身が頭に定着しません
「基礎固め」として、同じ教材を「飽きる=内容を全て覚えてしまう」くらいまで何回も聞くことが大切です
より多くの英語に触れた方がいいのでは?と思うかもしれませんが、それは英語の基礎ががっちりとできてからの話
つまりまずは「多聴」よりも「精聴」です
今回の記事は、なぜ「精聴」が良いのかと、それに使える中級者向けで無料で勉強に使えるサイトを紹介します
目次
なぜ精聴が大事なのか?
精聴とは、一語一句聞き取ることという意味で、これがリスニング力を決める要素の一番の基礎になります
というのも、リスニング力は3つの能力の掛け合わせだと考えています
- 聞いた音(単語&英文)を識別できる能力
- 聞いた音(単語&英文)の意味を理解できる能力
- 意味を理解した単語&英文から大まかな流れを掴む能力
上記3つを見てもらうとわかると思うのですが、一番目の「単語を識別する能力」がないと他の2つの項目をクリアすることができません
聞いた音(単語&英文)を識別できる能力
リスニングにおいて、これができないと何も始まりませんよね?
識別、つまり「耳に入ってきた音がどの単語なのか」がわかる能力です
“Annihilate”という単語を例にとってみます
↑↑この単語、なんて発音すると思いますか?辞書で確認はしないでくださいね
「アニヒレイト」に近い音だと思ったんではないでしょうか?
ちなみにこの単語の意味は「全滅させる・無効にする」などですが、「アニヒレイト=全滅させる」で覚えてしまうと、実際にこの単語を聞いた時に聞き取れません
というのも、この単語はどちらかというと「アナイエレイト」という発音に近いからです
その為、英単語を覚えるときは、発音も一緒に覚えないと、とても勿体無い事になります
→英単語が覚えられない ? 英単語アプリや単語帳をおすすめしない理由
その為、まずは聞き取れる単語を増やす=正しい発音が認識できる単語を増やす必要があります
聞いた音を識別できるようになるには「精聴」という勉強方法が必要になります
この「精聴」を意識して勉強すると、以下のことが身につきます
- 聞いた音と実際の英語のマッチング
- カタカナ英語から本当の英語の音へのシフト
- 「リンキング」がわかるようになる
つまり本当の英語の「音」が識別できるようになるのです
“low”は「ロー」より「ロウ」に近いな
“tape”は「 テープ」じゃなくて「テイプ」っぽい
“Can I”は「キャン アイ」よりも「ケナイ」に近い
といったことがわかってきます
この音のデータベースが増えることで、英語が加速的に聞き取れるようになります
この聞き取れる力がついてから次のステップが可能になります
「精聴」の方法についてはこちらの記事をご参照ください
→たくさん聞くけど上達しない理由。リスニング力を伸ばす2つの学習法
聞いた音(単語&英文)の意味を理解できる能力
この感覚は、国語の授業で有名な古文や詩文など音読や暗唱させられた時、おうむ返し暗唱はできるけど意味がわからない状況と似ています
私の英語の例で言えば、ホストファミリーに “You know, you never know” と言われた時、一語一句聞き取れていたけど意味がよくわからなかった記憶があります

って思った記憶があります
You know & You never know
“You know”は口語で頻繁に使われるフレーズで日本語で言う「わかるでしょ」とか「わかると思うけど」に近いです
そして”you never know”=「一生知り得ない」、つまり可能性を否定できない時に使う「わかんないよぉ〜」な時に使われます
例えば

東京に行けば、仕事はすぐ見つかると思う
まぁそうかもね。でもわかってる思うけど、(実際に仕事が見つかるかどうかなんて)わかんないよぉ〜

リスニングの基本前提
上の例は”you never know”のイディオムとしての意味を知らなかった、つまり文字にしても意味が理解できないことになります
これは下記参考記事でも紹介しましたが
リスニングは読んですぐ分かる物しか聞けない(理解できない)
と言う基本前提があります
参考記事
→英語のリスニングが聞き取れない !悔しい思いを克服した学習方法
そのため、リスニング力UPの前に、リーディング力UPが先に必要となります
だからこそ、台詞(スクリプト)付きのリスニング教材を使うことが大切なのです
意味がわからない英語を2時間聞くより、きちんと理解できる英語を20分聞いた方がよっぽど効果があります
意味がわからない英語はもはや「雑音」でしかないのですから・・・
上の参考記事で述べましたが、私の例では、映画「ミッションインポッシブル2」を使って「精聴」をしていました
ラッキーだった私
当時は狙って「精聴」をしていたわけではなく、私の勉強方法がたまたま「精聴」だったので、効果がありました
ただ、今思えば、リスニング初心者は映画やドラマよりも、初心者用のリスニング教材をお勧めします
その理由はこちらの記事を参考にして見てください
このように、英語のリスニングは、最初の頃は聞いた音を頭の中で「文字」にして読解する作業になります
「音」→「文字」→「意味」
の順です
なので「先に『音』を認識できる能力が必要ですよ」と説明しました
リーディングの場合は自分のペースで「文字」→「意味」の変換が行えます
しかし、リスニングの場合は「音」→「文字」→「意味」となります
次から次へと「音」が入ってきますので、自分のペースで「文字」→「意味」をしているとあっという間に「音」を聞き逃してしまいます
つまり英語の「音」が聞き取れると、次はリーディングの処理能力が要求されます
リーディング力をあげるのに避けて通れないのが「文法」です
ということは、リスニング力は文法力があって可能になる分野でもあるのです
また、回数を重ね経験を積んでいくと「音」→「文字」→「意味」の処理が早くなり、結果的に「音」→「意味」となっていきます
これは英語脳を習得する上でも大事な事です
→英語脳の作り方!返し読みの卒業におすすめのトレーニングと勉強方法
日本人が何回も聞いている「アイラブユー」はわざわざ”I love you”にしなくても「意味」がわかりますよね?
このようにして「音」→「文字」→「意味」を繰り返し聞くことで、「音」→「意味」になるのです
同じ教材を何度も飽きる(覚える)まで聞くことの重要性がここにあります
英語初心者や中級者は教材を絞ることが肝心です
この理解できる英文(←これ重要)を繰り返し聞き続けると、「知識」としての英語から「感覚」としての英語に変わってきます
例えば副詞の位置や、動名詞と不定詞(名刺的用法)の違いなどが感覚的にわかってきます
また、「リンキング」も感覚でわかるようになります
例えば、”Do you wanna”が「ドゥーユーウォナ」→「ヂュワナ」に近い音で言われても感覚でわかるようになるのです
そのためさらに聞き取れる領域が増えていくのです
「感覚でわかる」ようになると「推測できる」にもなります
この「推測できる」能力は、リスニング力の最後の要素に非常に重要な部分となります
意味を理解した単語&英文から「大まかな流れ」を掴む能力
実は英語上級者やネイティブでも実際の会話で100%一語一句聞き取っていることは稀です
我々も日本語で会話している時って一語一句聞いているよりも全体的意味を理解していますよね?
※だから「言った言わない」の言い合いが起こったりしてますよね 笑
実はこの「全体的意味の理解」ってリスニング上級者への鍵として非常に重要なんです
リスニングで知らない単語が出てきたら「えっ何」!?となり、その後の音が耳に入ってこないことってありますよね?
このわからない単語に出会ってもパニックにならずになるためには、この「全体的意味の理解」ができる能力が必要不可欠なんです
そして先ほどお伝えした「推測できる」能力は「全体的意味の理解」の手助けになります
というのも
「会話が聞き取れる」≠「リスニングで理解できる」
↑↑実はこれ大きな誤解です
現実は
「会話が聞き取れる」+「聞き取れなかった部分を推測&修正できる」=「リスニングで理解できる」
なのです
続けられることが大事
英語学習って日々の積み重ねがすごく大事なんです
だから勉強方法も苦行よりは、お気楽に習慣化してしま得たらこっちのものです
人間の脳って不思議で、一旦習慣化してしまうと、その習慣をしないと不安になるんです
だから今回の記事のポイントを押さえた上で、毎日続けられるようにするには「よーしやるぞ!」よりも「さっ歯磨こ」くらいの軽い気持ちでできる教材を使った方が続けられます
そのためには、自分が興味ある分野のリスニングが良いと思います
最初はセリフや意味をしっかりと解読し、教材の内容を把握すること
内容が頭に定着したら「ながら聞き」でも十分効果はあります
リスニング初心者は、クリアな発音の教材からスタートし、ある程度レベルが上がればYoutubeの動画で自分の好きなジャンルから勉強できます
今は、スマホでも動画がサクサクみれる時代です
中級者であればオーストラリアの子供向けニューズ番組”Behind the news“もおすすめです
通勤時間などの隙間時間に、ササット自分の興味のある動画をYoutubeなどで見て学習に当てることもできます
海外のテレビ番組もYoutubeで見ることができます
ぜひ参考にして見てください。