先日記事にした、ロッキー・ザ・ファイナルの名言解説の続きです。
前回は最初の3分の1を解説しましたが、今回は次の3分の1(下線部)を解説していきます
Let me tell you something you already know. The world ain’t all sunshine and rainbows. It’s a very mean and nasty place and I don’t care how tough you are, it will beat you to your knees and keep you there permanently if you let it. You, me, or nobody is gonna hit as hard as Life. But it ain’t about how hard you hit. It’s about how hard you can get hit and keep moving forward. How much you can take and keep moving forward. That’s how winning is done!
Now if you know what you’re worth then go out and get what you’re worth. But you gotta be willing to take the hits, and not pointing fingers saying you ain’t where you wanna be because of him, or her, or anybody! Cowards do that and that ain’t you! You’re better than that!
内容を理解して動画を再度見れば、かなりジーンとくるセリフで心に響く事間違いなしです。
仕事でうまくいかない、知人関係でうまくいかない、生きていると辛いこと・悔しことはたくさんあります。
そんな時に「よし!頑張ろう!」と思わせてくれる英文を解説していきます。
動画はこちらから
(0:45秒”let me tell you~”;から最後の”You’re better than that”までのフレーズ)
【比較表現】as 形容詞/副詞 as 構文
- You, me or nobody is ganna hit as hard as life
※”ganna”は”going to”の口語型
“as 形容詞/副詞 as”の使い方はぜひ押さえておきたい構文です。
これが使えるようになると、
- このフォー、ベトナムで食べたのと同じくらい美味しい
- この書類、契約書と同じくらい重要だからね
というように表現の幅が広がります。
文中では”hard”を用いて「人生と同じくらいキツく」と表現しています。
“hard”は副詞で「激しく」・「手加減なく」という意味があります。
動詞”hit”(攻撃する)の後ろに”as hard as life”と置いて、「人生と同じくらい激しく攻撃をする」となります。
文全体を直訳すると
- You, me or nobody is ganna hit as hard as life
→お前も、俺も、誰もかもが、人生と同じくらい激しく攻撃をすることはできない
ですね
映画のテーマであるボクシングの文脈を取り入れると
- You, me or nobody is ganna hit as hard as life
→「人生ほど、重いパンチを食らわせる事ができる奴はいない」
つまり、「『生きる』ってことは上手くいかなくて辛いことが多い」ということを意味します。
itの特別な用法
- It ain’t about how hard you hit
ここで使われてる”It’s about”の”it”は何を指しているのでしょうか?
“it”には、英語の「主語・述語」の形式を保つために慣用的に使われる特別な用法があり、その場合は「それ」とは訳しません
- 天候 : It’s sunny today
- 距離 : It’s about 10 minutes drive away
- 季節 : It’s summer
- 期間 : It’s been 10 years
- 状況 : It’s my turn
などが挙げられます。
そして今回の例では下線部の「状況」の場面での”it”です。
聞き手も話し手も「主語が何か」わかっている時に使われます。
話の流れを見ると「重要なこと・話のポイント」と解釈できると思います。
- It ain’t about how hard you hit
→大事なのは、どんだけ重いパンチをするかじゃない
前回の記事で紹介した”how+形容詞”の用法、今回は”how+副詞”で使われています
なぜ形容詞・副詞と使い分けられているのか?
回答はページ下で紹介します
Get + 過去分詞
- It’s about how hard you can get hit and keep moving forward. How much you can take and keep moving forward.
Get + 過去分詞は口語でよく使われ、「〜される」という受け身と同じ解釈ですが、Be動詞を使った受け身とは、また違ったニュアンスがあります。
先ほどの「大事なのは、どれだけ思いパンチをするかじゃない」を受け身で解釈すると
- It’s about how hard you can get hit
→大事なのは、どれだけ思いパンチを食らうかだ
そして次の英文につながります。
- and keep moving forward. How much you can take and keep moving forward
→そして、それでも前に進むこと。どれだけ食らいながらも前に進み続けられるかなんだ!
名詞節 How の解釈方法
- That’s how winning is done
“how”の名詞節の使い方は、関係代名詞としての”what”と同じ要領で解釈できます。
参考動画(関係代名詞whatの解釈方法は09:11秒目より)
“what”が”the thing that”で解釈したのに対して、”how”は”the way that”で解釈します
そうすると上の英文は次のように置き換えられます。
- That’s the way that winning is done
→それが方法です。勝利がなされる
となり、「方法」を後ろから関係代名詞”that”を使って説明しています。
他にも少し例文を作りました
- I’m impressed with how you have achieved your goal
- Do you wanna have a look at how people make sushi?
名詞節の”how”では、いまいちしっくり解釈できない方は、ぜひこの”the way that” の方法を参考にしてみてください
名言を話の流れで解釈すると
- Thats’s how winning is done!
→勝利・成功とはそうやって勝ち取るもんだ!
では、先ほどの”how+形容詞”の用法、今回は”how+副詞”に関する質問の回答です。
答えは主語の後の”be動詞”か”一般動詞”かの違いです。
- Be動詞→形容詞
- 一般動詞→副詞
“be動詞”は主語の「状態」を説明しますので形容詞が、”一般動詞”は主語の「動作」を説明するので副詞が使われるのです。
- It doesn’t matter how careful you are
→どんだけあなたが慎重だろうと意味ないよ[状態] - It doesn’t matter how carefully you drive
→どんだけあなたが慎重に運転しようと意味ないよ[動作]
このように品詞がわかると、文法のルールも解読しやすくなります。
ぜひ参考にしてみてください。