私自身、英語のスピーキングがとても苦手でしたが、その苦手意識がなくなった理由が瞬間英作文といっても過言ではありません。
日本生まれ、18歳まで日本育ちの日本人です。
瞬間英作文 と出会うまでに試したのは次の2つ
- 英会話フレーズ集
- ライティングの読み上げ
しかし2つとも、「英語が口からスラスラ出るようになる」という点においては効果がありませんでした。
実際に自分のスピーキングを上達させた出来事を振り返ってみると、全部「瞬間英作文」の要素によるものなんです。
今回の記事では、瞬間英作文のトレーニングをする際に大事なポイントについてお伝えしたいと思います。
瞬間英作文をやる際の注意点
意外かもしれませんが、スピーキングの練習って実は一人で行うことが多いんです。
実際、私がスピーキング力をあげるために行ったのは主に次の5つです。
- シャドーイング
- リプロダクション
- 独り言
- 音読
- 瞬間英作文
上記5つどれも一人でできることなんですよね。
ちなみに、これら5つの自主トレを網羅してトレーニングできると感じるのが「スタディサプリ English」 というスマホアプリでもできる1日あたり35円の学習サービスです。
一人で行うからこそ間違いに気がつきにくいですから、「正しいやり方」を意識しておかないと、続けているのに効果が出ないなんて事になりかねないので注意が必要です。
ということで、効果をきちんと引き出すために気をつけたいポイントを紹介します。
簡単すぎるものから始める
実はこれ、かなり重要です。
自分にとって簡単すぎるのをやります。
というのもインプットとアウトプットに関する記事でも伝えましたが、「話せる」英語というのは「わかる」英語のごく一部でしかありません。
「わかっている」と「できる」の間には大きな隔たりがあります。
そしてさらに「書ける」と「話せる」にも大きな隔たりがあるのです。
読めばわかるし、文法的に組み立てることも可能な英文が口からは出てこない!
そこのギャップを埋めるのが瞬間英作文の目的です。
頭では理解している英語の配置(文法)を即座に口に出せるように英語の通り道(回路)を作るのが目的です。
あなたの脳と口の間は、今まっさらな草原です。
まさにどこに向かって進んでいいかわからない状態、手探りで草を掻き分けながら、考えながら進む必要があります。
英語の通り道(回路)を作るのは、ここに轍(わだち)を作る感覚です。
この通り道を作ることで、迷うことなく進むことができるようになります。
まずは、この通り道を作るのが目的ですから、難しい単語や表現を使うような例文は避けます。
例えば、When節の練習として次のような日本語文を選んだとします。
国連事務局長はその問題を聞いた時、真っ先にA国への経済制裁を一旦停止することを各国に求めた
上記のを英文にしようとすると、
- 国連事務局長
- 経済制裁
- 一旦停止すること
- 各国
など、難しい単語や表現を考えることにエネルギーが割かれてしまい、when節の回路を作るにあたり負担にしかなりません。
ところが、次のような簡単な単語や表現を使った場合はどうでしょう?
タカシがその話を聞いた時、今すぐみんなに病院へ行くように頼んだ
これなら、先ほどの日本語よりも負担は少ないと思いませんか?
でもwhen節の文法として両者はほとんど変わりません。
このようにして、簡単なものを繰り返すことでwhen節の轍を作りやすくします。
一旦この轍ができてしませば、あとは単語を入れ替えるだけになりますから、まずは簡単な文で轍を作ることの方が重要です。
そういった例文を集めて、轍を作りやすいように問題の順番が考えられた参考書が「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」です。
とにかくスピード重視
まずは自分が「伝えたい」と思ったこと英語でできる限り早く口に出すように心がけます。
ここが難しいところでもあり、大事なところでもあるんです。
最初の頃は絶対に間違いながら英語が口から出てきます。
私自身も過去形を伝えたいのに現在形が口から出てきたりしていました。
“I give up 違うgave up”
“He don’t likes”
など、簡単な間違いをしてしいましたが、これは誰もが必ず通る道ですから自己嫌悪に落ちる必要はなく、むしろ「一歩づつ進んでいるんだ」!くらいに構えて問題無いです。
むしろこの間違いを恐れていては、いつまでたってもパッと口から出てくるようにはならないので、諦めて間違えることを受け入れましょう 笑
大切なのは「間違った!」と認識できることです。
また、逆に最初から間違いなくできるとしたら、それは
- 言葉を発するスピードが遅い
- 課題レベルが必要以上に低すぎる
(「すでにできる英語」をやっている)
かのどちらかです。
最初の頃は「課題レベルが低すぎる」ということはないので、慎重に考えてしまっている可能性が大いにあります。
徐々にですが、轍ができるにしたがってこういった簡単なミスはしなくなります。
ちなみに、「どうしても言葉を発するスピードが遅くなってしまう」という時は、短期集中を意識してオンライン英会話を使うのも手です。
対人相手になる事で、「何か言わなきゃ」という外部からの圧を使い半ば強制的に、「日本語以外を口から出す感覚」を養います。
詳細はこちらの記事で紹介しています。
英文は作らない&読まない
瞬間英作文とありますが、作文はしないことが大切です。
というのも書くスピードがどんなに早くても、言葉にするスピードに比べたら格段に遅いからです。
日本語でも一緒です。
「明日朝一で課長に確認する」
これ、言葉では2秒もかかりませんが、書くとなると10秒はかかりますよね?
「あ〜し〜た〜あ〜さ〜・・・」といった具合に頭の中でなるはずです。
でですね。
自分がスラっと言えなかった文を、書いてしまったらどうなると思いますか?
「言葉にスラっと出せなかったことを頭で先に考えてしまう癖」が一向に抜けなくなります。
スラスラ口から英語を出すために必要なのは「英作文」と「口から出す」を同時に行うことです。
答えの例文を読んだ時に、「あ〜なるほどね」とか「そういう言い方ね」とすぐに納得できる必要があります。
文法知識が不足していると、英文の解読になってしまうので、その場合は教材のレベルを下げる必要があります。
または、英文法をきっちりと学習して土台作りが先です。
完璧を捨てる
解答例は、数ある正解の1つでしかありません。
だから、解答例と完全に一致する必要は全くありません。
あなたが思っている以上に、自然な英語・ネイティブ表現というのはハードルが本当に高いです。
だから最初は文法的に正しければオッケーなんです。
例えば「私はあなたにもう会いません」という出題があって
模範解答が “I will not see you again”であったとしても、あなたの回答が
- “I will never see you again”
でも
- “I dont want to see you any more”
でもオッケーです。
大体の意味は同じですし、自分の文法知識を総動員して文法的に間違っていないならオッケーとします。
(文法を先に学んでおく重要性がここにあります。間違っていないと確信できる必要がありますからね)
細かいニュアンスは後
↑↑これ非常に重要です
まずは、自分の伝えたい内容を、自分なりの英語(文法にそった)で伝えること。
これが学校のテストだと、”I don’t want to see you any more” だと「もう会いたくない」になるから減点!とされますよね。
ここで伝えたいことは「今後あなたに会う意思がない」ということであって、要望を表す”want to”を使おうが使わまいが、言わんとしていることはわかりますよね?
このトレーニングはいわば、学校英語の呪縛から解き放たれる訓練です。
今あなたは「減点されない英語」ではなく、「実践的な英語」を身につけるための訓練をしていることを忘れないでください。
暗記に頼らない
暗記の最大の欠点は「応用がきかない」ことにあります。
瞬間英作文の目的は、英語をゼロから即座に組み立てられるようになることです。
暗記してスラスラ言えたとしても、それは組み立てとは違うのはわかっていただけるはずです。
自分の中にある文法知識を元に英語を話す
この感覚・スキルは暗記をしていては、決して手に入れることができません。
自分を成長させるもの
突然ですが、『コンフォートゾーン』という言葉を聞いたことがありますか?
『コンフォートゾーン』、つまり英語で”Comfort zone”(快適ゾーン)で、自分がストレスを感じることなくいられる慣れ親しんだ環境のことを指します。
この概念は、どの分野においても自分を成長させるためには知っておきたい概念です。
「自身の成長」とはある種の「変化」でもあります。
「英語が話せない自分」から「英語が話せるようになる自分」への「変化」です。
「変化」を達成するためには、”Comfort zone”の外側に足を踏み出し、その範囲を広げていく必要があります。
ちょっと不思議に聞こえるかもしれませんが、「英語が話せないあなた」にとって「英語が話せない状態」があなたの”Comfort Zone”になります。
そんなことない!英語が話せない自分がもどかしい!
って思うかもしれません。
想像してみてください。
「この見積もり、午後一でアメリカの取引先に電話して、内容確認してもらえる」?って会社で言われたらどう感じますか?
これがもし初めての経験になるのなら、きっとソワソワして落ち着かないのではないでしょうか?
もし、このタスクを英語が得意な同僚にお願いしても全く問題ない場合、頼みたくなりませんか?
つまり、「英語を話さない状態」でいるのが、あなたにとってストレスを感じずにいることができる”Comfort Zone”なのです。
人はこのようにして、自分の”Comfort Zone”の中に納まろうとする傾向があります。
しかし、このような”Confort Zone”の外側でソワソワしながらでも、ストレスを感じながらでも業務をこなさない限り、一生あなたはこの問題を克服することができないですし、英語を使って仕事をすることに不安を背負うことになります。
私自身も、英語を話すことが苦痛な時期がありましたし、避けようとしていた時期もあります。
今思えばこれは、自分の”Comfort Zone”の外側に身をおいていた時なのだと思います。
その結果として、今英語を話すことになんら苦痛を感じません。
自分の”Comfot Zone”を広げることができた結果だともいます。
“Comfor Zone”を自身の成長に!
“Comfort Zone”の仕組みを知って置くことは、様々な分野において自分を成長させるためにとても役に立ちます。
おすすめの書籍は次の3つ。
- コンフォートゾーンの作り方
- 心の壁の壊し方
- Reach: A New Strategy to Help You Step Outside Your Comfort Zone, Rise to the Challenge and Build Confidence
↑洋書(上級者向け)
効果が出るまでの時間
瞬間英作文を訓練する時のポイントは次の5つでしたね
- 簡単すぎるものをやる
- とにかくスピード重視
- 英文は作らない&読まない
- 完璧を捨てる
- 暗記しない
これを意識したトレーニングを継続したとして一体どれくらいで効果が見えてくるかと言うと、最低3ヶ月〜半年は続ける必要があります。
もちろん、1日にどれだけ『質の高い』トレーニングをしたかによっても変わってきますが、目安としては3ヶ月くらいで轍ができ始める感覚を感じるかもしれません。
瞬間英作文をしてきているのに、効果がなかなか感じられないという方はこちらの記事に書いてあるポイントも参考にして見てください。
瞬間英作文の効果と”Comfort Zone”の私のエピソードを交えて紹介した記事はこちら。