国際線や外資系の航空会社に乗ると流れる英語の機内アナウンスをリスニングの学習教材にしちゃいました。
この記事では「実際の機内アナウンス」を音声付き&台本を使い実践英語を使った教材にしています。
今回紹介するのは「ジェットスター航空」のオーストラリア発バリ行きの便で、離陸前の約1分弱に渡って流れた英文。
- 間も無く離陸します
- 機内での喫煙は〜
- 小型電子機器
- 〜をお持ちのお客様
などなど、日本語にするとこのような表現は、英語ではどのような言い方をしているのか勉強になると思います。
個人名や便名など、ちょっとプライバシーに触れそうな部分はカットさせていただいてます。
あらかじめご了承ください
まずは、音声だけ聞いてみて、オーストラリア訛りの生の英語を聞いてみてください
※最初の2・3秒ほど、雑音が入ってしまいました。。すみません
どうでしょう?
アメリカ英語やイギリス英語とは一味違ったアクセントです。
聞き取りやすかった方もそうでなかった方も、まずは台詞を見てみましょう。
英語の機内アナウンスの台本
先ほどの音声のセリフを下に書き出しました。
リスニング力を上げるときに大切なのは「何を言っているのか」を把握することです。
わからない音声はつまり「雑音」。
この雑音を「聞き流す」ことは効果的ではありませんし、効率も良くないと思っています。
大切なのは、まずは何を言っているのか文字で認識すること。
そしてその文字の音を聞きながら「文字と音をマッチさせる事」で、「雑音」だったものが「音声=言語」として認識できるようになります。
↑↑このトレーニングを「精聴」と言います。
トレーニングのポイントはこちらの記事。
このようにして、認識できる音の幅を増やしていく事で、だんだんと聞き取れるようになります!
重要なポイントとして「聞き取れる」と「理解できる」は別物であるという事。順序として、英文が理解できて聞き取れるという現象が起こります。
英文を理解するためには「文法の知識が必要となります」
下記記事も合わせてご参照ください
「百聞は一見に如かず」、とりあえずやってみましょう。
こちらが、上で紹介した機内アナウンスの台詞になります↓↓
It is our pleasure to welcome Qantas and emirates codeshare customers, Jetstar credit card holders and Qants frequent flyers travelling with us today
For a safe and comfortable journey, please note that smoking is not allowed on board the aircraft including inside the lavatories and consumption of alcohol is permitted to those drinks served by your crew members.
Small handheld electronic devises can be kept on for the duration of the flight, however it must be switched to the flight mode when the main cabin door closes. If it doesn’t have a flight mode capability, it will need to be switched completely off, radio transmitters are not permitted at any time.
For those customers in possession of the Samsung galaxy note 7, these devises are now prohibited on all Jetstar flights. If you do have the Samsung galaxy note 7, please see crew members immediately.
We will be under way shortly. So please make yourself comfortable and once again welcome aboard this Jetstar flight JQ ○○ through to Bali
もし上記の英文がすんなりと理解できた方、あなたに必要なのは、「単語と音のリンク」
もう一度英文を見ながら音声を聞いてみてください。
その時に自分が聞き取れなかった部分と照らし合わせて、「音声と文字のマッチング作業」を意識することが大切です。
上記英文が理解できなかった場合、下に英文を解説していきますので、参考にしてください。
英語の機内アナウンスでリスニング学習 – It is 構文
最初の段落を2つの英文に分けて解説します。
学校の英語の授業で習ったこの表現方法は”It is our pleasure”(私たちの喜びです)と始まる不定詞を使った表現です。
It is our pleasure
もしこれだけしか言わなかったら
なにが喜びなの?
って思いますよね。
明らかに何か「足りない」文です。
その「足りない」感を不定詞を使い補っています。
- to welcome Qantas and emirates codeshare customers, Jetstar credit card holders and Qantas frequent flyers
ここでは”welcome”を動詞として使い、後ろの3種類の客層に対して「歓迎します」と伝えているのです
3種類の客層とは下線部の人たちのこと
- Qantas and emirates codeshare customers
→カンタス航空とエミレーツ航空コードシェア便を利用した乗客 - Jetstar credit card holders
→ジェットスター航空のクレジットカードを持っている乗客 - Qantas Frequent flyers
→カンタス航空マイレージプログラム会員
そして上記3つのお客さん達を、後ろの現在分詞型で始まる”travelling with us today”で説明しているのです
1段落目を日本語に直すと
本日ご搭乗のカンタス航空とエミレーツ航空コードシェア便をご利用のお客様、ジェットスター航空クレジットカードをお持ちのお客様、並びにカンタス航空マイレージプログラム会員に対しまして、当フライトをご利用いただきましたこと、スタッフ一同感謝申し上げます。
※直訳すると「喜び」を入れる必要がありますが、自然な日本語になるようにしました。
英語の機内アナウンスでリスニング学習 -「機内での喫煙は」を英語で
2段目の解説です。
前置詞”for”で「〜のために」(目的)という意味があります。
ここでは、”For a safe and comfortable journey”は、「機内の安全で快適な飛行のため」と解釈できます。
次に来る”Please note that ~”の表現は、ややかしこまった表現で相手に「留意しておいてほしい事柄」を伝えるのに最適なビジネス英語表現です。日本語の「ご了承くださいませ」に当たる表現です。
“that”の後に主語・述語の文を置くことで聞き手に注意を促します。
今回の機内アナウンスの例では「喫煙」と「飲酒」の2つの事柄について述べていますね。
- smoking is not allowed on board the aircraft including inside the lavatories
- consumption of alcohol is permitted to those drinks served by your crew members
日本語では、「ご遠慮いただいております」と表現されるのも、英語だとはっきり”is not allowed”「禁止されている」と受け身で表現されています。
“on board”を前置詞のように使うことで、後ろに名詞を取っています。そして名詞の”aircraft”を後ろの”Including”(これまた現在分詞型)で説明しているのです。
「飲酒」は”consumption of alcohol”として表現され、これも受け身で”is permitted to”の形で「限定許可されている」と使われています。
何に限定許可されているかは、”to”の後ろにある名詞”those drinks”「その飲物」ということです。
そして「その飲物」を今度は後ろから説明しているのです。
つまり「”your crew”=『客室乗務員』から提供される飲物」という解釈になるのです。
では、二段目を全て日本語に直すとこのようになります。
安全で快適な空間の為、機内での喫煙はお手洗いを含む全てのエリアでご遠慮いただいております。また機内での飲酒は機内販売で提供されるもののみ可能となります事、あらかじめご了承くださいませ。
英語の機内アナウンスでリスニング学習 – 小型電子機器を英語で
3段目の英文は、Iphone等のスマートフォンの扱いに関するアナウンスです。
ここでは「助動詞:Can・Must・Will」と”when”の使い方に注目してみましょう。
ます「小型電子機器」は”small handheld electronic devises”と表現されていますね
この機器の使用に関して”can”が使われています。この”Can”は能力の「〜できる」ではなく「許可」の「〜できる」です。
この受け身の英文”can be kept on”で「小型電子機器はオンの状態でもいいよ」という許可になるのです。そして電源をオンにしているかしないかの判断はそちらに任せますというニュアンスになります。
そして次の文 “however it must be switched to the flight mode”「機内モードになっている事」につながります。
ここで助動詞の”must”「〜でなければならない」が使われています。
その後に続く”when”は疑問詞としてではなく「接続詞」として使われ「〜する時は」と解釈できます。
最後の”if~ + will”の組み合わせは、頻繁に使われるものです。
これらの文法的説明の詳細は、こちらの記事も参考にしてみてください。
3段目を日本語にすると
小型電子機器のご利用ににつきましては、飛行中もご利用いただけますが飛行機のドアが閉まりましたら機内モードへの設定をお願いしております。もし機内モードがございません場合は、電源を切っていただきますようお願い申し上げます。また電波を発する全ての電子機器のご利用はいただけませんのでご了承ください
になります。
英語の機内アナウンスでリスニング学習 – 「〜をお持ちのお客様」を英語で
「持つ」という意味を持つ単語はたくさんありますが、ここでは動詞の”posess”から派生した”in possession of” を使い「〜をお持ちの」と表現しています。
ここで出てくる前置詞”for”は先ほどの「〜のため」(目的)とは違う意味で使われています。
今回の場合、「これから案内する内容は『誰々のための情報』ですよ」と前置きするために使われています。
そのためここでは、”For those customers in possession of the Samsung galaxy note 7″ で「サムソン製のギャラクシーノート7をお持ちのお客様に対しましてご案内申し上げます」という解釈ができます。
そして次に使われる”now”の使われ方もちょっと特殊です。
- these devises are now prohibitted on all Jetstar flights
ここで”now”が使われている事で、以前は使用可能だったというニュアンスになります。
Samsung Galaxy Note 7は発火の恐れがあるとして、アメリカの航空会社でも使用が禁止されているようです
→Samsung Galaxy Note 7 banned on all U.S. flights due to fire hazard
英語の機内アナウンスでリスニング学習 – 「間も無く」を英語で
「間も無く」は、ここでは”shortly”が使われています。
“be under way”は「進行中・移動中」という事で、ここでは助動詞の”will”と”shortly”と組み合わせて使われていることで、「間も無く移動中になる」=「離陸に向けて動きだす」という未来形の解釈ができますね。
そして最後のあいさつ文で締めくくられています。
当機は間も無く離陸に向けて動き出します。どうぞおくつろぎくださいませ。また改めまして、この度はジェットスター航空をご利用いただきまして誠にありがとうございます
“Welcome aboard”は直訳すると「ご搭乗を歓迎します」ですが、不自然な日本語になるので「ありがとうございます」としました。
英語の機内アナウンスでリスニング学習 – まとめ
いかがでしょうか?
英文の内容が把握できたら、もう一度音声を聞いて見てください。
もちろん、一回でいきなり全て聞き取れるようにはなれませんが、だいぶ聞き取れ方が違ってくるかと思います。
英語学習に関する順番や方法に関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。